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急に猫の様子がおかしい?それはアナフィラキシーかもしれません

獣医師
藤井 ちひろ
[記事公開日] 2022-02-16 [最終更新日] 2022-02-16
人では最近新型コロナウイルスに対するワクチンの接種が話題にのぼることも多くありますが、その中で必ずでてくるのが「副反応」の話題です。ワクチンの副反応とはワクチン接種後に出現する副作用のことです。

よくあるものは、注射を打った部分が腫れたり数日だけ熱が出たりします。
そんな中多くはありませんが、ひどいアレルギー反応は起きることがありこれがアナフィラキシーです。こういったワクチンに限らず、何かに反応してしまいショック状態になってしまうこの症状は、実は猫にも起こりえることなのです。
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急に猫の様子がおかしい?それはアナフィラキシーかもしれません
ワクチンをはじめ、さまざまな異物に対して体が異常に強く反応してしまうこと、これがアナフィラキシーです。
「めったにないことでしょ?」確かにそうあることではありません。しかし実際起きてしまったときは、それにいかに早く対応し適切な処置を受けさせられるかが生存率を高めることにつながります。かわいい猫ちゃんのため、知っておいて損はありません。

アナフィラキシーはどんな病気?

アナフィラキシーは、突然起こり、実際にその原因物質と接触してから数分から数時間で症状があらわれるのが一般的です。ものによっては遅発性反応として2~3日たってから起きるものもあるので注意が必要です。

体の中では、さまざまな化学伝達物資が一度に大量に発生することで、血管の拡張、筋肉の収縮、空気の通り道である気道がつまりやすくなったり、心臓の筋肉の働きが悪くなったりします。
その結果、呼吸困難や血圧の低下により動けなくなってしまったり、全身に蕁麻疹がでてくるような変化があらわれます。

猫ではとくに、呼吸器と消化器に症状が多く見られます。気道が腫れてせまくなったり粘液が大量に分泌されて呼吸がしづらくなってしまうと、うまく息をすることができないため命にかかわってくる緊急事態です。

アナフィラキシーは何が原因なの?

猫がアナフィラキシーを起こす原因はさまざますが主に以下のものがよく報告されます。

①ワクチン:各種予防目的のワクチン接種

②虫や爬虫類の毒:昆虫による刺し傷、爬虫類の皮膚の腺の毒など

③抗生物質

④非ステロイド性抗炎症薬

⑤麻酔薬

⑥様々な食品

⑦極端な寒冷

このような原因のどうやって接触したかどうかが、その症状に結びつくことがあります。
静脈内投与や筋肉注射などで摂取したワクチンや薬に反応した場合、呼吸困難や心拍低下などの重度の症状を起こし、急激な血圧の低下により意識を失ってしまうこともあります。

一方、食べ物など口から入ることで体に取り込まれた場合は、主に起こる症状は消化器や皮膚の異常反応です。過剰な涎や下痢そして吐き気、痒みや炎症といった状態です。
また原因物質を吸い込んでしまった場合は、気道の収縮により咳やくしゃみが立て続けに認められることもあります。

急に猫の様子がおかしい?それはアナフィラキシーかもしれません

アナフィラキシーはどんな検査をするの?

原因物質を摂取後すぐに起きるとは限らないため、緊急治療をおこないつつ丁寧な問診を行うことでその原因を探ります。

①問診:数日間内でのワクチン接種歴、内服薬の有無、散歩や庭での昆虫や爬虫類両生類との接触、食事内容の変更、その他工事や引っ越しなどの生活の変化もきっかけとなっていることがあります。

②血液検査:ショック状態に伴う血圧の低下から各臓器の機能障害が起きていないかを確認します。

③酸素飽和度または血液ガス測定:呼吸状態を確認し、気道の異常があらわれていないかを確認します。

④レントゲン検査:呼吸や血圧の低下により肺がダメージを受けていないか確認します。

⑤胸部エコー検査:主に肺のエコーを確認することで、呼吸状態をリアルタイムで確認することができます。

アナフィラキシーはどんな治療をするの?

アナフィラキシーが疑われる猫に対しては、できるだけ早く積極的な治療が必要です。

①気道確保:呼吸困難をおこしているとき気道の中で腫れてしまった粘膜は空気の通りを妨げていることがあります。その場合、気管チューブを挿入したり、それが不可能なほどであれば気管切開を行わなければならないこともあります。

そういった気道のふさがりはなくとも、猫が呼吸がしづらいようであれば、酸素マスクや酸素室で強制的に酸素を投与します。


②輸液:ショックによる血圧の低下がほとんどの場合見られているため、点滴ルートを確保したうえで、その状態にあわせた各種点滴液が大量に輸液されます。

③アドレナリン:人の治療では必須とされていますが、猫においてはかならずしも有効とは限りません、しかし実際はより早くこの種類の薬を使うことで循環が回復するといわれており、実際この薬の投与が遅れるほどショックからの体調の回復が遅くなることが報告されています。

④抗ヒスタミン薬:アナフィラキシーの症状のうち、皮膚の痒みや鼻や口の粘膜の炎症を改善してくれます。しかし、気道の閉塞などの重症なアナフィラキシーにはあまり効果が見られません。

⑤その他対症治療:ショックの緩和や循環の確保のため、猫の状態を確認しながら症状を抑える対症治療が行われます。

まとめ

アナフィラキシーはその猫ごとに反応する原因物質や症状が異なります。猫に関係するすべてのものに気を配るのは難しいものですが、新しいお薬やごはんを与えた後、予防接種の後などは、特に体調に気を配ってみてあげると変化に気づきやすく、迅速に必要な処置を受けさせることができますよ。

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