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原因不明⁉猫の特発性膀胱炎を理解する!

獣医師
相澤啓介
[記事公開日] 2020-06-16 [最終更新日] 2020-06-16
猫の特発性膀胱炎は、これといった原因がないにも関わらず膀胱炎の症状が見られる疾患です。
動物病院でもしばしば聞かれる疾患ですが、やや難解な病名であることから十分な理解を得られていない方もいるのではないでしょうか。
本記事では、猫における特発性膀胱炎について解説します。
原因不明⁉猫の特発性膀胱炎を理解する!
膀胱炎は、細菌感染による細菌性、尿路結石による結石性、そのどちらでもない特発性に分類されます。
猫における膀胱炎の中でも特発性膀胱炎と診断されることは多く、膀胱炎の55~64%にもなると言われています。
猫にとって特発性膀胱炎はありふれた疾患なのです。
しかし病名がやや難しいことから、診断名を聞いただけで病気の全体像を理解することはできない方もいるのではないでしょうか。
わからないことがあるのは、不安になりますよね。

そこで本記事では、猫の特発性膀胱炎の原因、症状、診断、治療から予防まで解説していきます。
ぜひ最後まで読んで頂き、猫の特発性膀胱炎に対する理解を深めてください。

猫の特発性膀胱炎の原因

特発性という言葉は医療用語で、原因不明を意味します。
つまり特発性膀胱炎とは、細菌感染や尿路結石の存在がないにも関わらず何らかの原因で膀胱炎が引き起こされる疾患です。

長時間の膀胱への尿貯留や、神経伝達物質の異常に原因があると考えられています。
しかしその中でも、特発性膀胱炎の発生にはストレスが関与していると考えられています。

猫は元々、ストレスを感じやすい動物です。
人間にとっては些細な環境の変化でも、猫にとっては大変なストレスになっていることがあります。
特発性膀胱炎の発生が比較的若い猫に多いことも、ストレスが原因の一つになっているからだと言われています。

猫の特発性膀胱炎の症状

猫の特発性膀胱炎では、主に泌尿器症状が現れます。

・頻尿
・血尿
・トイレにいる時間が長い
・排尿時の痛み
・不適切な場所での排尿
・食欲不振

この中でも、血尿に気付いて動物病院を受診される方が多いように思います。

原因不明⁉猫の特発性膀胱炎を理解する!

猫の特発性膀胱炎の診断

猫の特発性膀胱炎の診断はいくつかの検査を組み合わせ、他の疾患の除外によって行います。

・問診
最近環境の変化はないか、フードやトイレを変更していないか、多頭飼育かなど、猫のストレスの原因となる出来事の有無を確認します。

・身体検査
腹部の触診によって、下腹部の痛みが見られることがあります。

・尿検査
膀胱炎において重要な検査の一つです。
検査する尿は細菌の混入が無いよう、カテーテルまたは穿刺によって採取します。
尿中の炎症細胞や赤血球の有無、細菌感染と尿結晶の出現が無いことを確認します。

・画像検査
X線検査や腹部超音波検査にて、膀胱粘膜の異常や尿路結石、腫瘍が無いことを確認します。

・血液検査
腎機能を評価することで、血尿が腎臓からの出血によるものでないかを確認します。

猫の特発性膀胱炎の治療

膀胱内の炎症を抑える治療を行います。

・消炎鎮痛薬
膀胱粘膜に起こっている炎症を抑制します。
血尿が見られる場合は止血剤を併用することもあります。

・抗菌薬
傷害された膀胱粘膜からの細菌二次感染を予防するために使用します。

・皮下補液
尿量を増加させることによって膀胱を洗浄します。

他に自宅治療として、ストレスの要因となっている可能性のあるものを取り除いてもらいます。

猫の特発性膀胱炎の予防

ストレスが特発性膀胱炎の発症の要因と考えられていることから、ストレス緩和を日常的に行うことが有効であると考えられています。

・食事
水分量の多いウェットタイプの食事が望ましいです。
また、ミルクプロテインやトリプトファンといったリラックス効果があると言われている成分を含んだフードやサプリメントを試してみるのも有効です。
ただし、フードの変更が新たなストレスとなる可能性もあるので注意が必要です。

・飲水
いつでも水が飲めるような環境を作ってあげましょう。
水が循環するタイプの水飲み場もあるので、猫の性格によっては使用するのもいいかもしれません。

・トイレ
猫砂や新聞紙など、猫のトイレにも様々なタイプがあります。
また、トイレは屋根のないものを選び、広くて静かな場所に設置します。
常に清潔に保つことを心がけ、尿に異常があった場合に素早く気付けるようにしておきます。
多頭飼育の場合、トイレの設置数が足りないことがあります。
猫の頭数+1が適切なトイレの数であることを覚えておきましょう。

・住環境
壁際にキャットタワーや高い棚などの、猫にとって安全な見晴らし台を設置してあげます。
これらは猫の三次元的な運動を促すため、運動不足の解消にも繋がります。

・他の猫との関係
多頭飼育の場合、仲の悪い猫同士の食事場所を変えたり、居住空間を分けることも必要です。
日頃から猫たちの様子を観察しておきましょう。

・人との関係
定期的に遊んであげたり、撫でたりすることで猫のストレス軽減になります。

・猫用フェロモン
猫は猫同士の挨拶の際に顔からリラックス効果のあるフェロモンを分泌し、敵では無いことを表します。
人工的に合成されたフェロモンを空気中に拡散することで猫のリラックス効果を狙います。

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