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犬の脳腫瘍 ② 神経膠腫

獣医師
久保井春希
[記事公開日] 2019-05-29 [最終更新日] 2022-05-16
イヌの脳腫瘍でもさまざまなものがありますが、今回は神経膠腫について説明きていきます。
[ 目次 ]
犬の脳腫瘍 ② 神経膠腫
脳腫瘍または頭蓋内腫瘍は頭蓋内に発生する腫瘍の総称で脳に発生するさまざまな腫瘍の総称です。
その中でも神経膠腫(グリオーマ)は脳実質内に浸潤性に発生する腫瘍であり、全摘出は困難なことが多いです。組織学的には良性であっても、臨床的には悪性の場合が少なくありません、今回はグリオーマについて知識を深めましょう。

脳腫瘍の分類

脳腫瘍は頭蓋内を構成している組織により発生する原発性脳腫瘍と他臓器の悪性新生物が頭蓋内へ転移してくる転移性脳腫瘍に分けられます。
WHO動物神経系腫瘍の分類が発表されており、その中でもグリオーマはグリア細胞に由来する腫瘍の総称です。星状膠細胞腫、膠芽腫、希突起膠細胞腫、上衣腫、脈絡叢乳頭腫などが挙げられます。
人では最も発生が高く、イヌでは2番目、ネコでは4番目に多い脳腫瘍として知られています。

犬の脳腫瘍 ② 神経膠腫

脳腫瘍の発生と種類

一般的にイヌの頭蓋内腫瘍の発生頻度は10万頭に14.5頭と知られています。
長頭種では髄膜腫の発生が多いとされていますが、短頭種では神経膠腫や下垂体腫瘍がより多く発生する傾向にあります。いくつかの報告では年齢の中央値は9歳とされています。

犬の脳腫瘍 ② 神経膠腫

病歴

神経膠腫の多くは、大脳内において発生を認めるが、その位置、サイズ、浸潤性、成長速度により臨床兆候や病歴は異なります。脳腫瘍と関連した臨床兆候として、性格の変化や運動機能の異常が最も多いと報告されています。
その他にも発作や旋回、視覚障害などさまざまな脳症状が認められることもあります。

犬の脳腫瘍 ② 神経膠腫

診断

診断にはシグナルメント、病歴、身体検査所見、神経学的検査所見により障害部位が脳であることを特定します。鑑別診断には血液検査、生化学検査、CSF分析、画像検査、組織生検が必要となります。
CT検査は腫瘍部位を特定し腫瘍組織辺縁を描出する目的で用いられ、診断のみでなく外科的治療や放射線治療においても利用されます。
MRI検査はCT検査と比較して頭蓋内の描出に優れている。腫瘍周囲に浮腫を認め造影剤により不規則に増強されます。
確定診断には上記の通り病理検査が必要となり、完全切除、部分切除を行うために外科的手術が必要とされます。

犬の脳腫瘍 ② 神経膠腫

治療

脳腫瘍の治療は原因となる腫瘍を除去、あるいは縮小させることと腫瘍による二次的な影響に対して実施される。外科的治療、化学療法、放射線治療、免疫治療などは腫瘍自体を除去あるいは退縮させることが可能な治療です。腫瘍周囲の浮腫を軽減、頭蓋内圧低下の目的でステロイドや利尿剤が使用されます。発作の軽減や予防の目的では抗てんかん薬が使用されます。
よごと

犬の脳腫瘍 ② 神経膠腫

まとめ

脳実質内の腫瘍の治療では手術摘出が容易ではなく、さまざまな治療法を組み合わせて行うことが多い。
そのため、医師としっかりとした相談をしてどの治療を進めていくかじっくりと検討することが望まれます。

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