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犬の慢性腎臓病に不可欠な食事療法。工夫して美味しく食べよう!

ペット栄養管理士
宇田川紗矢香
[記事公開日] 2022-06-03 [最終更新日] 2022-06-03
犬の慢性腎臓病では、食事療法が不可欠となります。毎日のごはん、食欲不振時の対処法、おやつ選びのポイントなどを紹介します。
[ 目次 ]
犬の慢性腎臓病に不可欠な食事療法。工夫して美味しく食べよう!
慢性腎臓病 の食事療法は初期からの開始が望ましいとされていますが、療法食に変えてから食べなくなった…、おやつは与えてもいいの?…などのお悩みや、症状の進行に伴う食欲不振のお悩みも多くあるようです。
食欲は元気のバロメーター。栄養制限が必要になっても、少しの工夫をしてあげることで、食いつきの改善につなげることができますよ。

犬の慢性腎臓病と食事療法 | 腎臓の役割と機能

腎臓は左右に1つずつある臓器で、血液を濾過して原尿をつくり、カラダに必要な物質と不要な老廃物に分ける役割を担っています。必要な物質は血液中に再吸収され、老廃物は尿として排泄されます。また、血圧の調節や造血に関わるホルモンをつくったり、ビタミンDの活性化にも関わっている臓器です。

しかし、何らかの原因によって腎臓の組織が傷ついて障害が起き、本来の機能が低下することで、健康状態に悪影響を及ぼしてしまいます。一度傷ついた腎臓の組織は、元に戻ることはありません。

犬の慢性腎臓病と食事療法 | 慢性腎臓病とは?

慢性腎臓病は、腎臓の組織が傷ついて徐々に機能低下し、正常に行われるはずの濾過や再吸収に問題をきたして、慢性的なダメージを引き起こす病気です。

初期の段階では発症に気づきにくく、血液検査で異常が見られる頃には、症状が進行していることが多いうえ、さらなる悪化によって、腎不全や尿毒症などの重篤な症状につながる可能性も考えられます。
慢性腎臓病は、シニア犬ほどリスクが高くなり、発症すると完治の難しい病気です。

◇愛犬のこんな症状に注意しましょう。
●多飲多尿  ●尿臭が薄い  ●食欲不振 
●体重の減少 ●嘔吐     ●貧血(舌、歯茎、耳の内側でチェック)

慢性腎臓病を予防するためには、定期的な健康診断と、初期症状である多飲多尿を見逃さず、早期の発見と治療で進行をできるだけ抑えることが大切です。

犬の慢性腎臓病と食事療法 | ステージごとの症状と治療

●症状
《ステージ1 》
血液検査で異常は見られません。尿比重の低下によって多尿になり、補うために飲水量が増える多飲多尿の症状が現れ始めますが、犬自身は元気なため、症状に気付きにくいとされています。

《ステージ2 》
犬自身は元気で、多飲多尿の症状を見過ごしてしまいがちですが、血液検査でわずかに正常値を超えることから、定期的な健康診断を受けていれば、この段階で発症に気付ける可能性があります。

《ステージ3》
本来は尿として排泄されるべき毒素が溜まることでより多飲多尿になり、食欲不振や体重減少、嘔吐や下痢、貧血などの様々な症状が現れます。この段階になって初めて受診するケースが多いとされています。

《ステージ4》
毒素の排泄ができずに尿毒症となる重篤な状態で、人であれば人工透析が必要とされる段階です。食欲不振や嘔吐、著しい体重減少が続きます。

●治療
慢性腎臓病の治療は、症状の軽減や進行を緩やかにすることを目的として、投薬や輸液による治療のほか、食事療法が必要不可欠とされます。

犬の慢性腎臓病と食事療法 | 療法食と手作り食を続けるポイント

慢性腎臓病では、初期から十分な飲水量を摂り、タンパク質・リン・ナトリウムの摂取量を症状の段階に応じて制限する適切な食事の管理が必要です。

タンパク質を制限することで不足するカロリーは、糖質や脂肪で補い、栄養状態を保ちます。またステージ3以降では、食欲不振への対策をとり、栄養状態を保つことも大切です。

◇療法食や手作り食を続けるポイントを紹介します。
●療法食
腎臓病療法食は動物病院で購入でき、一般にも多くの種類が販売されています。栄養のバランスや制限すべき栄養が調整されていることから、安心感や手軽さもありますが、食いつきの悪さや、だんだん食べなくなるなどのお悩みも多いようです。スープでふやかしたり、ウエットフードなどを少量トッピングすることで食いつきアップにつながる場合もあります。

また、長期間同じ療法食を食べ続けることで飽きてしまう可能性もあります。必要に応じて獣医師に相談のうえ、他の療法食への変更や、トッピングなどで、食べることへの興味を刺激してあげるのもおすすめです。

●手作り食
手作り食のメリットは、自身が選んだ材料や分量で調理できる点にあります。療法食よりも嗜好性が高いことから、食欲不振時に試すことで食べることへの興味を示してくれる場合があります。

摂取制限が必要なタンパク質には、赤身肉よりもやや脂質が多めの部位を選びましょう。植物性のタンパク質である大豆製品もおすすめです。野菜やきのこ類、海藻なども食材として利用し、スープごはんに仕上げることで水分も摂取できます。

手作り食による栄養バランスの偏りを回避するためには、毎日同じメニューを食べ続けないことや、幅広くさまざまな食材を利用することが大切です。時間のある時に調理して冷凍保存をする、調理できない時のために腎臓ケア用のウエットフードを常備しておくなどの工夫が、手作り食を無理なく続けるポイントとなります。

●おやつ
ご褒美やモチベーターとして、また何より食べることが大好きな犬たちの楽しみであるおやつは、材料に気をつけて選べばプラスの栄養にもなってくれます。

タンパク質を多く含む肉や魚のジャーキー類はごく少量にする、クッキー系や野菜を使ったものにするなど、負担にならないおやつを選んであげましょう。ただし、小麦や野菜にもタンパク質が含まれるため、与える量には注意が必要です。

犬の慢性腎臓病に不可欠な食事療法。工夫して美味しく食べよう!

犬の慢性腎臓病と食事療法 | 工夫して美味しく食べよう!

犬の慢性腎臓病の症状や食事療法についてお伝えしました。
初期では、症状を進行させないための栄養制限、ステージ3以降では、食欲不振への対策が必要になります。おいしく食べることができるように工夫をしながら、愛犬に合った食事を見つけてあげてくださいね。

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