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愛犬の口が臭い!家でできることは?病院に行く必要はある?

獣医師
山口あすか
[記事公開日] 2022-02-21 [最終更新日] 2022-02-21
愛犬の口臭が気になっている飼い主さまは多く、犬用の歯磨きグッズやデンタルケアは多く売られています。
多くの口臭対策グッズを試してみても、やっぱり臭いわ!というケースも多く、愛犬のお口の臭いは一緒に暮らす上で大きな問題のようです。

犬の口が臭い原因はなに?
どうしたら犬の口臭が無くなるの?
犬に虫歯ってあるの?
動物病院に行くタイミングは?

この記事では上記の疑問が解決するよう、詳しく解説していきます。
歯周病はそのままにしておくと、大変なことになる病気なのです!
[ 目次 ]
愛犬の口が臭い!家でできることは?病院に行く必要はある?
飼い主さまは全額抜歯という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
読んで字のごとく、全ての歯を抜く、という意味です。

全部の歯を抜く!?そんな恐ろしいことをするのは何故??
と驚かれるかたも多いかと思いますが、中高齢の犬で、歯周病が酷くなると全額抜歯が必要になることは多いのです。

なるべく健康な歯を残したいわ!という飼い主様は、犬の歯周病がどんなものなのかを理解し、お家でできるデンタルケアと、病院でできる歯科処置について正確な情報を知っておきましょう。

犬の口が臭い!!けれど可愛いから許す!いや、それはNG。

犬の口臭の原因は歯周病菌が出す臭いです。
つまり、愛犬の口の中にばい菌がいて、それが臭いガスを出しているから臭いのです。
口腔内のばい菌がいなくなれば、臭いも減るはずなのですが、ばい菌は歯石や歯根(歯の根っこ)に隠れているために、減らすことができません。

ばい菌の隠れみのになっている歯石が、そもそもの原因と言えるでしょう。
では、歯石とはなんなのでしょうか?
それは食べカスとばい菌と、犬の唾液に含まれるミネラルが固まったものが正体です。

犬の口臭を減らすためには歯石を撃退することが大切なのです。
可愛い愛犬の口臭から目をそらさずに、唇をめくって、歯石がついているのかをしっかりと確認しましょう。
見ないふりはダメ!

愛犬の口が臭い!家でできることは?病院に行く必要はある?

犬の口臭をどうにかしたい!家で出来ることはある?言いにくいけれど実は無い。

世の中に売られているデンタルケアが効果的であれば、人の歯医者さんは失業していることでしょう。
つまり、劇的な効果のある虫歯予防や歯周病予防は無いのです。

歯医者さんが口を揃えて言うのは「歯を磨きましょう!」。
これは獣医療でも同じで、口臭予防には歯磨きしか対抗処置がありません。

しかし気づいてもらえたでしょうか?
「口臭予防」、予防、つまり既に口臭が強い場合には歯磨きをしても改善はしないのです。

「え!?一生懸命に歯磨きをしているのに、何故ですか??」
それは、ついてしまった歯石は歯磨きでは取れないからなのです。
歯石は、動物病院でスケーリング(歯石除去)をしてもらう以外に取ることはできません。

そのため、小さなころから歯石が付かないように、毎日の歯磨きをすることが大切です。
犬の食べカスは歯垢になり、2日間も歯に付いたままになれば歯石になってしまいます。
逆を言うと、一日おきでもしっかりと歯磨きをすれば、歯石にはならない、と言えます!

今日は上の歯、明日は下の歯というペースでやれば、歯石はつきません。
ベストな歯磨きグッズは、歯ブラシですが、歯磨きシートでも効果は大きいです。
出来れば、犬の喜ぶフレーバーテイストの歯磨き粉を付けて、「歯磨き美味しい!!」と思って欲しいです。

愛犬の口が臭い!家でできることは?病院に行く必要はある?

犬も虫歯になるの?いいえ虫歯にはならずに鼻に穴があきます。

犬は虫歯になりません。
虫歯とは、歯の表面のエナメル質が溶けて、歯のカルシウムが溶けてしまう状態です。
酷ければ歯の中にある神経にまでばい菌が入り込み、激痛が起きます。

犬は、唾液中に含まれるミネラル量が多いため、歯が溶ける前に食べカスやばい菌もろとも石灰化してしまいます。
なので、歯自体が溶けて問題になる虫歯には殆どなりません。

しかし、歯肉に歯石がつくことによって、歯の根っこにばい菌が入り込むと、歯の根が溶かされる歯周病になります。
歯根は外側から見えないために、どんどん重症化し、ばい菌が顎の骨を溶かしていることも!

「最近よくクシャミをするな、、、」
「目の下がぷっくり腫れているけど何だろう?」
「鼻血が出た!」

中高齢で上記の症状が出たら、重度の歯周病が原因かもしれません。
歯の根からの感染によって、鼻の方に孔があいてしまうこともあります。
目の下の膨らみから膿が出てくることもあります。

「歯根膿瘍」と呼ばれる状態で、重度の歯周病が見逃されて、放置されると、口から鼻に貫通する穴があくこともあるので、虫歯になるよりも怖いと言えるでしょう。

愛犬の口が臭い!家でできることは?病院に行く必要はある?

動物病院にいったら口臭をなんとかしてくれる?一時的にはゼロになります!一時的には。。。

歯石ができてしまったら、歯磨きでも口臭が取れないなら、どうしたら良いの??
上記でも述べたように、動物病院でスケーリングをうけることが唯一の方法です。

歯石がみっちりついてしまった犬の歯でも、動物病院でしっかりと超音波スケーラーで削り取ってもらい、ブラシで研磨してもらうことによって、歯石はキレイさっぱりなくなります。
しかし残念ながらこれは一時的な効果です。
その後に歯磨きをして歯石が付かないように毎日のケアをしなければ、三カ月後には元通り、という結末に。

歯石除去を無麻酔でやる、という施設もあります。
これも一時的には効果があるでしょう。
しかし獣医師の歯科研究会では、安全で効果的な歯石除去には全身麻酔が必須、と明言されています。

まず、無麻酔での歯石除去は手作業で歯石を取りますが、これが十分なものではありません。
超音波スケーラーとブラシでの研磨が必要なのです。
また、歯石を取っただけでは、歯根膿瘍は直せません。

歯科レントゲンを撮影して、歯の根の状態を確認して、抜歯処置をしなければ口臭はなくなることは無いでしょう。
「でも歯を抜くなんて可哀想!」と感じるかもしれません。
しかし、痛い歯をそのままにしておく方が、ずっと残酷ではないでしょうか?

そして犬の歯は咀嚼(噛み噛み)するためのものではなく、噛みちぎる(獲物の肉を引きちぎる)ためのものです。
細かいドッグフードを噛んで食べているわけでは無いので、抜歯処置をしても食べづらくなることは無く、痛みが軽減するので食欲が多くなる犬が殆どです。

口臭を改善するには
①歯石が既についている場合には、歯石除去をする。
②歯周病が疑われる歯には、レントゲン撮影を行い、抜歯処置を行う。
③つるつるになった歯を守るべく、毎日のデンタルケアをする。
というのが正しい流れです。

愛犬の口が臭い!家でできることは?病院に行く必要はある?

まとめ

私の知る看護師が、自分の愛犬の歯を超音波ブラシで磨いている、と言っていました。
そんなことも可能なのか、、、トレーニングって本当に大切だな、と痛感しました。
もちろん、歯はめちゃくちゃキレイでした。

歯石除去は全身麻酔の必要があり、体にも一定の負担(そしてお財布にも)がかかります。
できれば毎日のデンタルケアを行うことによって、歯の健康を守ってあげたいと皆さまも思われるでしょう。

けれど、既に口臭が強い時には、尻込みせずにまずは動物病院を受診するのが大切です。

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