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獣医師が解説!避妊去勢後の猫にストレスをかけない工夫について

獣医師
大熊 真穂
[記事公開日] 2022-02-09 [最終更新日] 2022-02-09
猫の避妊去勢手術のメリットとデメリットについて、また術後の愛猫のストレスをなるべく少なくする工夫についてまとめてみました。
手術をするかどうか迷っている飼い主様の参考になれば幸いです。
[ 目次 ]
獣医師が解説!避妊去勢後の猫にストレスをかけない工夫について
子猫がある程度の月齢になると、避妊手術や去勢手術を行うのが一般的ですが、
その反面「健康な体にメスを入れるなんて、おかしい!」「自然のままが一番」
という意見もあります。

しかし、何事にもメリットとデメリットがあります。

この記事は、飼い主様が愛猫の避妊去勢手術をするかしないかを決める一助となるように、
そして手術をした場合に、なるべくストレスなく過ごすための工夫についてまとめてみました。

<この記事はこんな方におススメです>

● 動物病院で手術を勧められましたが、迷っています・・・

● 術後は傷口を気にすると聞きましたが、少しでも愛猫がストレスなく過ごせる方法を知りたい

避妊去勢手術のメリットとデメリットについて

<メリット>

完全に室内飼育されている場合でも、
未去勢のオス猫と避妊手術をしていないメス猫を一緒に飼育している場合は
例え兄弟や親子であっても、ある程度の月齢(性成熟の目安は生後約半年くらいです)の猫であれば
交尾をして約2か月で子猫が産まれます。

そして、屋外に出かける猫であれば恋愛事情はもっと自由です・・・。

上記の様な場合も、避妊去勢手術をすることで、望まれない妊娠を避けることができます。

また、行動面からみたメリットとしては、オス猫の場合はケンカやスプレーの解消、
メス猫の場合は激しい鳴き声やすりつき動作の解消などが期待できます。

オスもメスも発情に伴う様々なストレスが無くなり、
子宮や卵巣、精巣疾患の予防ができるというのもメリットです。

<デメリット>

オス・メスともに太りやすくなる傾向があります。
これは、発情によるストレスが少なくなって運動量が減ることや
食欲が増して、催促する度におやつやフードをもらっていることなどが考えられます。

ただし、食事の内容や回数を飼い主が気を付けることで肥満を防ぐことは可能です。

また、手術は全身麻酔で行われるため、麻酔のリスクを減らすためには術前検査を行い
問題なく麻酔がかけられる健康状態かをチェックする必要があります。

獣医師が解説!避妊去勢後の猫にストレスをかけない工夫について

そもそも避妊去勢手術ってどんな手術なのでしょう?

メスとオスでは術式が異なります。
(正確には不妊手術と言いますが、便宜上避妊手術で統一します)

メス猫の場合は開腹して、子宮と卵巣(または卵巣のみ)を摘出します。
そのため、おへその下あたりに切開した術創が残ります。

術後は1週間ほどで抜糸する場合と
埋没縫合と言って皮膚を縫合しないで皮下組織を寄せる方法の2つです。

オス猫は睾丸の真ん中を切開して精巣を切除します。

基本的には開腹手術はしませんが、
睾丸が正常な位置になく、腹腔内に潜在精巣としてある場合は
メス猫と同じように開腹手術を行います。

獣医師が解説!避妊去勢後の猫にストレスをかけない工夫について

術後をストレスなく過ごす工夫は?

メスもオスも手術を行うために術部の毛刈りと消毒を行うので、
バリカンや消毒薬などの刺激で傷口の周りを気にする猫もいます。

また、手術の傷が癒えてもストレスが原因でお腹を舐め続けて、
一年中お腹に毛が生えない猫もいます。

多くの猫は傷口そのものを気にして、舐めてしまう可能性があり、
特にメス猫の場合、舐め続けることで傷口がふさがらず、
場合によっては化膿してしまうこともあります。

猫に傷口を舐めさせないようにするには、以下の3つの方法があります。

①エリザベスカラーをつける

②術後服を着せる(メス猫のみ)

➡傷口が隠れるので洋服が苦手でなければおススメ

③手作りエリザベスカラー

➡カップ麺の空き容器の底をくりぬいてサイズを合わせ、縦に切れ目を入れて再利用

もともと猫は身体に何かつけられるのが大の苦手ですが、
術後服やカップ麺の空き容器のカラーを使うと
通常のエリザベスカラーよりも楽に過ごせる猫もいます。

注意事項としてはカップ麺の空き容器はしっかり洗って乾燥してから使用すること、
首回りが苦しくないように調整すること、
誤飲誤食が心配な猫にはお勧めできないことです。

また、術後は猫がゆっくり落ち着ける様な場所を複数用意すると
安心して過ごせると思います。

エリザベスカラーを装着した場合は、食事が食べづらくなるので
食器台を使うか食器の下に分厚い雑誌などを置いて
食べやすくなるようにするのもおすすめです。

水が飲みづらい場合は、上記の食事の工夫の他に、噴水型の循環する飲水器を使用すると
飲みやすくなる上、普段からもよくお水を飲むようになるケースもあります。

この「傷口を舐めさせない様にする」期間は、
メス猫では抜糸までの約1週間、オスの場合は(術創は縫合しないことが多いので)約2~3日です。

手術時にマイクロチップの装着を

令和4年6月1日以降、ブリーダーやペットショップ等で販売される犬や猫について、
マイクロチップの装着が義務化されました。

マイクロチップは通常の皮下注射よりもかなり太い針を使用して
皮下に挿入するので挿入時に痛がる猫もいます。

マイクロチップが装着されていない猫の場合は、
避妊手術や去勢手術をする場合に、一緒にマイクロチップの装着をすると
麻酔下のため痛みも感じることがありません。
手術のご相談をされる際に、かかりつけの獣医師に相談してみましょう。

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