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猫の怖い病気「鼻腔内腫瘍」とは?治療法や予後について

動物看護士
宮井 智美
[記事公開日] 2021-10-20 [最終更新日] 2021-10-20
猫の鼻の中の病気「鼻腔内腫瘍」
これってとても怖い病気である可能性が高いって、ご存じでしょうか?

全体として発生確率こそ低いものの、いざなってしまったときに
どうしてうちの子が…と、悲観的になってしまう飼い主さんを多くみてきました。

そこで今回は、鼻の中の病気「鼻腔内腫瘍」にスポットを当ててお話していきます。
[ 目次 ]
猫の怖い病気「鼻腔内腫瘍」とは?治療法や予後について

猫に発生する「鼻腔内腫瘍」とは?

猫の「鼻腔内腫瘍」とは、空気が通る道である鼻腔や、鼻の周囲にある骨の空洞の副鼻腔と呼ばれる場所に出来る腫瘍を総称したもので、腫瘍は一般的に悪性と良性に分けられます。

しかし猫の鼻腔内に発生する腫瘍はほとんどが悪性腫瘍と言われており、非常に怖い病気のひとつです。若齢猫よりも老齢猫に多く見られますが、5歳以上の中年期の猫でも発生することがあります。

猫の鼻腔内腫瘍の原因は、はっきりとわかっていません。しかし科学的根拠はまだ確立されていませんが、都市部の排気ガスやタバコの副流煙などが発生のリスクを高めると言われています。

猫の鼻腔内腫瘍は、猫に発生する腫瘍のうち約1~8%と言われていますが、
そのうち約30~50%がリンパ腫です。
リンパ腫は猫において高確率で発生するがんの一種で、消化器型・縦隔型など様々な部位で発生します。そのリンパ腫が鼻腔内で発生したときに、鼻腔内腫瘍となるのです。

そのほか猫の鼻腔内腫瘍は、鼻腔腺がんや扁平上皮がんの発生も多くあります。

いずれも悪性度の高い腫瘍となるため、出来るだけ早期発見・早期治療が望まれます。

鼻腔内腫瘍で主に起こる症状

猫の鼻腔内腫瘍で起こりうる症状は以下の通りです。
・くしゃみ
・鼻水
・鼻血
・顔面変形(鼻のあたりが盛り上がる・目が飛び出る)
・食欲不振
・元気消失
・削痩(痩せてくる)

これらの症状は他の疾患(鼻炎や気管支炎など)でも起こりうる可能性があるため、
これらの症状が出たからと言って確実に鼻腔内腫瘍だ!というわけではありません。

しかし鼻水やくしゃみが慢性的に起こっていたり、対症療法をしてもなかなか治らなかったりという場合には出来るだけ早めに詳しい検査を行ったほうが良いでしょう。

また、顔面変形の症状が出ている場合はかなり病状が進行している状態となり、骨が解けたりするため多くは痛みを伴います。
そうなると検査法も治療法も限られてしまうため、出来るだけ早期に発見することが重要です。

猫の怖い病気「鼻腔内腫瘍」とは?治療法や予後について

検査で行うこと

猫に鼻腔内腫瘍が疑われたら、多くの場合レントゲン検査が行われます。
レントゲンで鼻の部分を横から、そして上から撮影し、骨の内部の状態を確認します。

レントゲン上で異常を発見した場合は、より詳しい検査である細胞の検査を行います。
鼻の奥までストロー状の生検用の器具を入れたり、直接腫瘍の一部を切除したりする必要があるため、通常はCTやMRIなどの麻酔下の検査時に同時に行われます。

有効な治療法はあるのか

がんの治療というと一般的に治療は抗がん剤になりますが、
鼻腔内腫瘍の場合、点滴や飲み薬での抗がん剤治療のほか放射線治療も適応となります。

放射線治療と聞くと「身体に悪影響」「副作用の強い治療」といった印象がある方も多いかもしれません。

しかし実は放射線治療は健康な体の細胞には副作用が少なく、がん細胞には大きなダメージを直接与えることが出来るので猫の鼻腔内腫瘍のような局所的ながんには大きな効果が期待できるのです。

それに比べ抗がん剤治療は主に点滴や投薬で行います。
連日自宅で投薬し飲ませるタイプ、点滴で体内に入れるタイプなど様々ですが、
いずれも何クールか連続して行う必要があります。

抗がん剤は副作用の報告も多く、白血球が減少してしまったり嘔吐を繰り返したりと猫自身に大きく負担がかかることもあるでしょう。

しかし上手くコントロールできれば腫瘍が小さくなり全身状態が改善します。中には数クール抗がん剤を行ったら寛解状態(全治までではないが、病状が収まっていること)になる猫もいます。


猫の鼻腔内腫瘍にどちらの治療が有効であるかについては、腫瘍の場所や大きさ、細胞の検査結果、猫の全身状態などで大きく変わってきます。また、抗がん剤治療も放射線治療も決して費用面で安いものではありません。

そのため治療については担当の獣医師と良く相談し、決めていくのが良いでしょう。

予後について

鼻腔内腫瘍に限らず、猫の悪性腫瘍はそのまま無治療で経過すると余命は1か月程度と進行がとても速い病気です。

そのため鼻腔内腫瘍を発見したステージで予後は大きく変わります。

鼻汁やくしゃみなどの症状のみで早期発見でき、出来る限りの治療を行ったとしても、1年生存率は50%を切るというデータもあります。
しかし鼻腔内腫瘍が出来る猫種は高齢猫が多いため、一概に鼻腔内腫瘍のみの余命とも言えないでしょう。

けれども、やはり早期発見できたほうが放射線治療や抗がん剤治療の成果も上がりますし、治療の選択肢も多くなります。

放射線治療や抗がん剤治療が功を奏し、寛解出来れば寿命を全う出来ることも少なくありません。

いずれにせよ、鼻腔内腫瘍が発見された際の進行具合とその後の治療が、その予後を大きく変えていくのです。

鼻腔内腫瘍に予防法はあるのか?

猫の鼻腔内腫瘍の多くは悪性腫瘍になるため、原因ははっきりしておらず、これと言った予防法はないのが現実です。

しかし前述したように鼻腔内腫瘍は外的要因(タバコの煙や排気ガスなど)が素因となり得るとも言われているので、それらを排除するのもひとつの予防法となるでしょう。

それと予後の記述でもあるように、この病気は何よりも「早期発見・治療」が大切になってきます。

少しでも猫におかしいな?と思われるようなことがある場合には、出来るだけ早めに獣医に診察してもらいましょう。

猫の異常に早く気づいてあげること、そして定期的な健康診断が、その他の病気からも猫を守るために大事になるでしょう。

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