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猫の食事は1日5回?!意外と知らない猫の飼育環境ガイドライン

獣医師
山口あすか
[記事公開日]  [最終更新日]
猫の飼い主さまにとって、『愛猫が幸せな生活環境にいるのかどうか』は、気になる点ではないでしょうか?
獣医師と猫の行動学専門家によって【猫が健康で快適に過ごせる環境のガイドライン】というものが発表されています。

うちの猫は幸せそうに毎日過ごしているわ!という方にも是非一度は確認してもらいたいガイドラインです。
実は知らないうちに、猫にストレスがかかっている環境になっているかもしれません。
猫の視点に立ってみて、今の生活が不自由ではなく、ストレスも少なく、快適に暮らせているのかどうかを考えてみましょう!
[ 目次 ]
猫の食事は1日5回?!意外と知らない猫の飼育環境ガイドライン
動物園や水族館など、野生動物を飼育する施設で重要視されている【環境エンリッチメント】という言葉をご存知でしょうか?
聞いたことはあるけれど、ぼやっとした意味しか分からない、何となく環境を良くすることかな?ぐらいの方が多いかと思います。

環境エンリッチメントとは、飼育動物が快適でストレスを最低限した、野生と同じような環境を提供する試みです。
これが、近年では家庭猫でも大切になってきました。
何故なら、完全室内飼育(家の外に出さない)の猫が増えてきているからです。

この記事では、完全室内飼育の猫さんが、家の中だけでも退屈ではなく、のびのびと楽しく暮らすためのガイドラインについて説明していきます。

猫が安心できる場所がある

猫が自由に出入りできる場所で、人間や他の猫から隠れられるスペースが必要です。
キャットタワーなど、少し高い位置にゆったりと過ごせる場所も作りましょう。
これらがないと、情緒不安定な猫になりやすいです!

緊急時や病院への移動手段のために、キャリーバッグが安心できる場所だと慣れておく必要もあります。
そのため、常にキャリーバッグは生活環境の中に置いておき、お気に入りのフードやオヤツをそこで与えるようにしましょう。

多頭飼育の場合には、独りで安心できる場所を確保しておくことが、トラブル防止に役立ちます!
いつでも仲良し、というよりは、独りでのんびりする時間が必要なのが猫です。

猫の食事は1日5回?!意外と知らない猫の飼育環境ガイドライン

トイレ、食器、水飲み場などの生活に必要なものは複数用意する

猫の生活必需品と言えば、トイレ、食器、水飲み場、ベッド、おもちゃ、爪研ぎする場所です。
これらの猫グッズは、1つではなく、必ず複数個を少し離れた場所(別の部屋など)に配置します。
つまり、1匹の猫であれば、全て2つ以上を置くことを推奨しています。

外に出ずに完全室内飼育になったことによって、猫の好奇心や狩猟本能、捕獲本能などが満足できない環境になってしまわないように配慮します。
食器を複数個所に隠すように配置して、少しのご飯を、猫が探索しながら見つけ出して食べると、猫の気持ちとしては『今日のご飯はどこにあるのかな!ワクワク!』と楽しみながら食餌をとることができます。

できれば1日に3-4回は探索してご飯をもらうようにして、残りの2-3回は、おもちゃを利用して給餌しましょう。
猫の給餌は1日5回が推奨されています。

猫の食事は1日5回?!意外と知らない猫の飼育環境ガイドライン

猫の遊ぶ機会を増やす

基本的に、三食昼寝付きの猫は、やることもなく、つまらない日常を過ごしています。
遊ぶ機会が少ないと、活動量が低下して、問題行動がでてしまうことがあります。

特に、突然の噛みつきや引っ掻きなどは、発散されない余ったエネルギーを唯一動きのある飼い主さまにぶつけているケースも多いです。

まずは、一人遊び用のオモチャでも楽しく遊べるようにしましょう。
複数個は試してみて、気に入ったものを置くようにします。
また、転がすとフードがポロポロと出てくるタイプのおもちゃもとても有効です。

夜中に活動することが多い猫の習性を満たせるように、おもちゃの中にフードを入れておいて、夜中でもご飯を食べられるようにすると、狩猟本能も捕食本能も満たせるのでお勧めです。

猫の食事は1日5回?!意外と知らない猫の飼育環境ガイドライン

猫のペースを尊重する

猫ブームもあって、動画サイトにも可愛い猫が登場するものが多くなっています。
しかし猫にも個性があるので、動画の猫と同じだとは思わずに、個性を尊重してあげましょう。
撫でられたり、抱っこされたりが好きな猫もいれば、嫌いな猫もいます。
一緒に寝てくれる猫もいれば、まったく人のお布団には近づかない猫もいるのです。

猫は、自分の気分と違うタイミングや方法で構われることにストレスを感じる生き物です。
声掛けや遊ぶのは好きでも、撫でられるのは嫌い!という猫も多くいます。
無理強いはやめましょう。
かまってあげていると思っているのは人の一方的な思いで、猫にとっては迷惑かもしれません。

猫が自分から近寄ってきて、短い時間であれば撫でるのもOK!なケースもあります。
長々触ると、怒られるので注意しましょう。

猫は大声や体罰によって、恐怖心や攻撃行動が悪化してしまうことがあるので、これは推奨されません。

猫の食事は1日5回?!意外と知らない猫の飼育環境ガイドライン

匂いに配慮した生活環境

外で他の猫を触ったり抱っこした手のまま帰宅して、家の猫に嫌われたことは無いでしょうか?
猫は匂いに敏感です。
他の猫の匂いや、動物病院の匂いは嫌いなことが多いです。
強い匂いの香水や、ヘアスプレーも猫にとっては刺激臭でしょう。

爪研ぎには、自分の匂いを付けるという意味もあります。
多頭飼育の場合には、必ず飼育頭数よりも多い数の爪研ぎが必要です。
他にも、猫の匂いを付ける行動として、顔や体をこすりつけている場所があるかと思います。
その部分のお掃除は猫の匂い付けが取れない程度の掃除に留めてあげてください。

猫の食事は1日5回?!意外と知らない猫の飼育環境ガイドライン

まとめ

いかがだったでしょうか?
夜中に猫が運動会をしているな、というのは良く聞くことですが、そこに捕食本能を満たせるように給餌をする(フードが出てくるおもちゃを使う)などは、あまり聞いたことが無かったかもしれません。

そして、キャリーバッグを生活環境内に、いつでも置いていて猫が入るようにしているというご家庭も少ないのではないでしょうか?
自然災害の多い日本では、いつでも避難にたいしての対策を用意しておくことが大切です。

攻撃行動や、舐め壊しなどの問題行動も、猫の本来の狩猟本能や探求心を満たせていないところから来ているかもしれません。
トイレ1つとっても、猫の気に入ったものを探すのは大変なことですが、安全と長寿と引き換えに自由が足りない猫のために、環境エンリッチメントに取り組みましょう。

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