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気を付けよう!小型犬に多い前肢の骨折について

獣医師
大熊 真穂
[記事公開日] 2021-12-20 [最終更新日] 2021-12-20
この記事は、小型犬に多い前肢の骨折の原因、症状、治療について、

そして骨折をさせないための工夫を書いています。

特に前肢の骨折が他犬種に比べて多い、トイプードルとポメラニアンの飼い主様必見です。
[ 目次 ]
気を付けよう!小型犬に多い前肢の骨折について
一社)ペットフード協会が行っている令和2年度の全国犬猫飼育実態調査によると、

犬種別の飼育頭数の上位5犬種は、多い順から

トイプードル、チワワ、柴犬、ミニチュアダックスフント、ポメラニアンです。

そして、この飼育頭数の上位5犬種のうち、トイプードルとポメラニアンに共通して

「他犬種に比べて非常に多い疾病」があるのをご存じでしょうか?

それは・・「前肢の骨折」です。

更に、国内最大手ペット保険会社のデータによると、

その前肢の骨折が最も多い年齢は0歳。

つまり、「子犬の時期の前肢の骨折が多い」という結果です。

この結果をふまえ、注意喚起の気持ちを込めてこの記事を書きました。

<この記事は特にこんな方におすすめです>

●犬を飼うのが初めてで、小型犬を飼おうと思っています!

●うちの子はとても元気で、毎日ソファーやベッドから平気で飛び降りています!

●トイプードルを飼っていますが、骨折が多いって本当ですか?

小型犬の前肢の骨折の原因

犬の前肢とは肩甲骨から指骨までを指しますが、

前肢の骨折で多いのは、橈骨(とうこつ)と尺骨という2本の骨からなる前腕骨の骨折です。

整形外科の教科書によると、前腕骨の骨折は

「全骨折の8.5~18%を占める」というくらい骨折しやすい部分。

特にトイプードルやポメラニアンなどの小型犬の前腕の骨はとても細く、

ソファーから飛び降りただけで、簡単に骨折してしまうこともあるので注意が必要です。

<よくある骨折の原因>

●抱っこしていて落下した

●ソファーや椅子から飛び降りた

●停車している車の中から飛び降りた

●ケージのドアに挟んだ

●下にいるのに気づかず、踏んでしまった

気を付けよう!小型犬に多い前肢の骨折について

前肢の骨折の症状

犬は前肢に体重の約7割が負重しているので、前肢にトラブルがあると

普通に立っているのが難しくなります。

主な症状は痛がって体重をかけない様に片手を浮かす、

腫れて皮膚の色が赤くなるなどです。

また、軽い跛行(足を引きずる、かばって歩くこと)くらいで

問題ないように思われても、実は骨折していたというケースもあるので

歩き方に異常がみられたら動物病院で診察を受けましょう。

気を付けよう!小型犬に多い前肢の骨折について

前肢の骨折の治療

骨折の場合は、すぐに治療をすることがとても大切です。

特に小型犬は骨が細く血流が少ないので

骨折を放置すると癒合不全(骨がくっつかなくなること)になり、

最悪の場合、断脚をすることも・・・。

骨折しているかしていないかは

見た目では判断できないので(見た目でわかるくらいの骨折もありますが)

触診や視診の他、レントゲンで骨折の有無をチェックし

状況によってはCT検査が必要な場合もあります。

治療は、骨折の場所と程度によって異なりますが、

プレート固定、ピンを入れてギブズをする、創外固定などがあります。

また、骨折の中で圧倒的に多い前腕骨の骨折は、プレートによる固定が一般的です。

犬は「動きたい」という気持ちがとても強い動物なので、

痛みがなくなると全力で動こうとします。

術後はしばらくの期間「ケージレスト」といって

サークルやケージの中で動きを制限します。

この期間は手術以上に本人(犬)も飼い主もとても大変な思いをします・・・。

気を付けよう!小型犬に多い前肢の骨折について

愛犬を骨折させないために気をつけること

そもそもトイプードルのルーツは鳥猟犬、

そしてポメラニアンも「家庭での理想的な番犬である」と紹介されているくらい

元気で活発な犬種です。

「ちょっとくらい大丈夫だろう」と椅子の上に置いてその場を離れたり

床面から高さがあるソファーやベッドなどの上から

固いフローリングに飛び降りることを繰り返しさせる、

というのは骨折やケガにつながるのでやめましょう。

また、運動不足でストレスが溜まらないように、

日々のお散歩はもちろん、知育玩具を使って宝探しや芸を教えるなど、

頭を使う遊びも併用すると、犬も飼い主も楽しめるのでお勧めです。

また、サークルやケージでお留守番をさせるしつけをしておくと、骨折や誤飲などの事故を防げます。

これから小型犬を飼う方も、今飼っている方も、その犬種特有の病気や習性などを調べておくと

その知識が思わぬケガや事故を防いでくれます。

また、飼い主が注意する以上に、犬に基本的なしつけをすることも

骨折を防ぐための重要な対策です。

可愛い小型犬との生活を楽しむためにも、ちょっとした工夫をしてみてくださいね。

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