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ノミダニだけじゃない!犬の寄生虫症ニキビダニを知っていますか?

獣医師
藤井ちひろ
[記事公開日] 2021-04-19 [最終更新日] 2021-04-19
犬の外部寄生虫症といえば、ノミそとダニが有名ですね。最近では予防に熱心な飼い主さんが多いため、これらは以前より減ってきており予防医療の効果が見られていますね。

しかし、意外と多い皮膚炎の原因となる外部寄生虫であるニキビダニをご存じの方はそう多くはありません。
実は健康な犬であれば持っていることがむしろ普通であるこの寄生虫、知っておいて損にはなりません。
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ノミダニだけじゃない!犬の寄生虫症ニキビダニを知っていますか?
ノミやダニといった外部寄生虫症は、最近ではさまざまな予防薬が販売されています。昔ながらのつけるスポットタイプから、ほとんどおやつのようにおいしいものや味のついたフレーバー錠まで、愛犬の状態に合わせて便利に使えるようになりましたね。

しかし、それだけでは予防できない寄生虫もいることはご存じでしょうか。知っておくと、早期発見早期治療に役立つかもしれません。

毛包虫症ってどんな病気?

毛包虫(ニキビダニ)は犬の毛の根本に寄生する小さな寄生虫で、根本そのものである毛包に寄生する Demodex canis とその周りの脂の腺に寄生する Demodex injai の2種類に分けられます。

実はわんちゃんは、生まれてからたったの48~72時間でお母さん犬から感染するとされており、普通に元気な健康の犬にもみられ、常に存在するとされています。しかし、きっかけがなければ毛包や脂腺にとどまっているため、症状もなく毛包虫の一生はまだ不明な点が多くあります。

症状としてあらわれる時期により
・若年性
・成犬性
がありますが、どちらもきっかけとしては皮膚の免疫力が不十分であることが考えられています。

またその皮膚の病変が一部分にとどまっているのか、広く認められるかによって
・局所性
・汎発性
に区別されます。

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毛包虫症って何が原因なの?

上記で説明したように、毛包虫は本来どの犬も持っているような寄生虫であることから、感染した原因というより、発症した原因が重要になります。

・若年性
成長期に十分な栄養がまかなえなかった場合、皮膚の免疫力は大きく低下しています。ひどくやせているようなときは、血液検査により栄養の偏りを確認し、内部寄生虫の確認および栄養価が十分高い食事が必要です。
まれに大型犬の若犬では、甲状腺機能が低下することにより寄生虫症を発症することがあります。

・成犬性
犬も年をとってくると人と同様に、循環器(心臓)、呼吸そして運動器(関節)の機能悪化、また甲状腺機能低下症などの内分泌疾患が増えてきます。そのような状態で毛包虫症が発症すると、いったん治療がうまくいって終了した場合も、1年以内に再発することが多く報告されています。

その場合は治療を再開し、駆虫というより生活の質QOL の維持を目的とした治療に切りかえることもあります。具体的には定期的な皮膚や毛の検査を行い、症状の発生と合わせて様子を見ながら駆虫薬の増減を行うことを言います。

毛包虫症ってどんな検査をするの?

毛包虫症の検査により1匹でも毛包虫が認められれば、毛包虫症と診断してよいと考えられています。

・皮膚掻把検査:メスなどの鋭利なもので皮膚を削りとりますが、じんわり出血を認めるまで深く行なう必要があります。

・毛検査:皮膚掻爬検査がやりづらい、掻把困難な口唇部、指間などのやわらかく狭い部分を検査するために実施します。
どちらの検査も1カ所でなく、体の複数部分を知らべることで検出率が上がり、見つけやすくなります。

・パンチ生検:皮膚の病変部を数mmサイズで採取し、皮膚科の専門医または病理医に評価を依頼します。全身麻酔が必要なことがあります。この場合も、体の数か所から採取することが必要です。

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毛包虫症ってどんな治療をするの?

毛包虫症の治療は根本的にはニキビダニの駆虫ということになりますが、実際に発症している犬においては常在しているダニが増えてしまったことに関係している皮膚や毛の状態の改善や、年齢に合わせた栄養状態の確認などが必要になります。

・駆虫薬:毛包虫の駆虫薬としては大きく2種類の薬剤が報告されています。

【ラクトン系化合物】
飲み薬、および注射による治療が可能です。どちらを使ったにしても症状が落ち着くまで3カ月程度は必要とされています。

また、これらはフィラリア駆虫薬でもあるため、使用前に必ずフィラリア感染をしていないかどうか確認することが必要です。
フィラリア陽性犬にこれらの薬を飲ませた場合、用量が多いため感染しているフィラリア子虫が一度に死滅することで、犬にショックを与えてしまう可能性があります。

【イソキサゾリン化合物】
最近使用が可能になった薬物であり、一番の特徴としてはいったん投与することで1~3カ月と長期に作用が持続することがあげられます。

・シャンプー:毛包虫が存在する毛包や脂腺を健常な状態にするため、細菌感染やべたつき、角質の異常増殖ををおさえることが必要になります。
洗浄力の強い、角質を溶解させる作用のあるシャンプーを使って、週に1~2回シャンプーすることがすすめられます。

まとめ

毛包虫症は若齢性では2歳までには治ることが多く、高齢であってもていねいな治療で症状の改善はみられることがほとんどです。

また完治はしないまでも、無理のない範囲で飲み薬やシャンプー、他の併発疾患の治療を継続することで、痒みや不快感を適度に抑え、生活の質を良好に保つことが可能です。
途中でやめてしまわず、しっかりと継続して治療してあげてくださいね。

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