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犬と一緒に暮らすなら知っておきたい犬の特性

ペット飼育管理士
増田暢子
[記事公開日]  [最終更新日]
犬と人間は、長い時間をかけて共に良きパートナーとして一緒に暮らすようになりました。しかし、人は人、犬は犬です。人の社会の中で共に快適に暮らすためには、犬のことを理解し、上手に歩み寄っていく必要があります。一緒に暮らすために理解しておきたい犬の特性について整理しました。
[ 目次 ]
犬と一緒に暮らすなら知っておきたい犬の特性

人の社会の中で犬に暮らしてもらうということ

犬と人間は、とても長い時間をかけてお互いを良きパートナーとして認め合い、一緒に暮らすようになりました。今や、職業犬としても伴侶動物としても、犬は人にとって欠かせない存在になっています。

しかし、犬と人は異なる動物種です。より良い関係を築き快適に暮らしていくためには、お互いのことを積極的に知り、理解しようとする努力が必要です。犬は犬なりに人を理解しようとし、こちらに合わせてくれています。私たち人間も、人の社会の中で犬に暮らしてもらうためには、犬の本能や生態、習性などの特性を理解し、合わせていくように努力していく必要があるといえるでしょう。

群れの一員となりたがる

元々、犬は群れを作って生活していく動物です。群の中の頼れるリーダーを中心に、お互いが協力し合いながら暮らしていきます。つまり、大半の犬たちはリーダーに喜んで従い、群の良きメンバーとして暮らしていきたいと願っているのです。

現代の犬にとっての群れは、一緒に暮らす家族全体です。家族のメンバーの一員として愛情を与え、そして受けながら生活していくことを望んでいます。ただしリーダーが頼りないと、犬は自分が群れを守らなければならないと感じ、行動します。その行動は、時として私たち人間にとっては「問題行動」となってしまいます。

飼い主さんがしっかりと頼れるリーダーになることが、人も犬も共に幸せに暮らしていける秘訣です。飼い主さんには、暴力的に群れを支配するリーダーではなく、豊かな愛情とぶれない信念を持った、堂々として頼れるリーダーになるための努力が必要です。

縄張りを守りたがる

群れで生活をする犬は、自分たちの縄張りに侵入してくる外敵にとても敏感です。常に縄張りを守り、侵入してくる外敵を攻撃します。この犬の特性をうまく活用したのが、いわゆる番犬です。

しかし、番犬の身になって考えてみると、常に外敵の侵入を警戒しなければならない生活は、とてもストレスが高いということがお分かりでしょう。愛犬に、必要以上の緊張を強いることのないよう、愛犬の寝床は、人通りのない静かな場所を選ぶようにしましょう。

現在は、犬も室内で飼養する形態が一般的になってきていますが、外飼いの場合も同じような考え方で寝床の設置場所を決めてあげることが必要です。

散歩におけるマーキング

前述の通り、犬は縄張りを常に守る必要があります。そのため自分の縄張りであることを主張しようと、マーキングといって縄張りのあちらこちらに自分のにおいをつけて回ります。しかし散歩におけるマーキングは、縄張りの主張よりも仲間同士の情報交換の目的が強いと考えられています。

散歩中に、犬があちらこちらに片脚を上げて少量のおしっこを引っ掛ける行為が、マーキングです。そのにおいを嗅ぐことで、犬は自分の住んでいる地域にいる他の犬のことを知り、自分の情報も発信しているのです。

これは犬の習性なので、完全にやめさせることはできません。しかし、自宅の門柱などにおしっこをかけられて嬉しいと思う人はいないでしょう。つまり、犬のマーキングを不快に思う方は大勢いらっしゃるということです。

人の社会の中で暮らしていく以上、散歩中の愛犬のマーキングは、極力最小限に抑える必要があります。散歩に出かける前に排尿を済ませる、人の迷惑になる場所にはマーキングさせないように通り過ぎる等、飼い主としてのマナーを守れるように努力が必要です。

狩猟本能

犬は肉食でしたので、生きていくためには狩りをする必要がありました。そのため、今でも狩猟本能が残っています。逃げるもの、動くものを追いかけようとするのは、狩猟本能の一部です。この特性をうまく利用したのが、牧羊犬や牧畜犬です。

もちろん、牧羊犬、牧畜犬以外の犬も、逃げるものや動くものを見ると本能的に追いかけようとします。散歩中にすれ違う自転車や子供達などをいきなり追いかけることもありますので、散歩中は常にしっかりとリードを握り、注意する必要があります。

また、牧羊犬や牧畜犬として品種を確立してきたウェルシュ・コーギー、シェットランド・シープドッグ、ジャーマン・シェパード、コリーなどは、運動欲求が高い傾向にあります。毎日の散歩だけではなく、定期的にドッグランで思い切り走らせてあげる等のケアにより、ストレスをためないようにしてあげる配慮も必要です。

共に快適に暮らしていくために

他にも、人と違ってエクリン腺という汗腺が肉球にしかない犬は、汗をかいて体温を調節することができないため、暑さに弱いという特性を持っています。温度と湿度の管理をしっかりと行い、熱中症予防をすることは、とても大切です。

人にとって困るようないわゆる「問題行動」は、飼い主さんが犬の特性をよく理解していないために犬に与えてしまうストレスが原因で生じることが多いといわれています。しっかりと絆を結んだ犬との暮らしは、飼い主さんにとっても愛犬にとっても、とても幸せで有意義な生涯を過ごすことにつながります。

そのためにも、飼い主さんは積極的に犬の特性を理解し、こちら側が犬に合わせるべきポイントをしっかりと押さえて住環境や生活習慣を整えるようにしたいものです。

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