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犬に増えるマスクのトラブルとは?

動物看護士
原京子
[記事公開日]  [最終更新日]
現在、犬がマスクを誤食してしまう事故が多く報告されています。
なぜ犬はマスクを誤食してしまうのでしょうか。
また、犬用マスクにメリットがあるのかも気になるところです。
この記事では、犬がマスクを誤食してしまう原因や対処法、犬用マスクの必要性について詳しくまとめました。
[ 目次 ]
犬に増えるマスクのトラブルとは?
現在、犬がマスクを飲み込んでしまうトラブルが相次いで報告されています。
その背景には、一体何が原因しているのでしょう。
また、SNSなどでは、犬にマスクを着用する方も見かけます。
果たして、犬にマスクを着用することは何かメリットがあるのでしょうか。
そこでこの記事では、相次ぐ犬のマスクトラブルの原因や対処法をはじめ、犬用マスクの必要性について詳しくまとめました。

犬のマスク誤食が増えている

現在、犬がマスクを飲み込んでしまう事故が増えています。
その原因は、新型コロナウィルス対策として私たちがマスクを着用する機会が大幅に増えたことにあります。
犬はマスクに興味を持つことが多く、かじって遊んでいる間に布部分や紐の部分を飲み込んでしまうことがあります。
飲み込んだマスクは、消化されることはありません。
そのため、喉に詰まってしまったり、腸に詰まり腸閉塞を引き起こしたりするなど危険です。
詰まってしまったマスクが自然に排泄されない場合は、外科的手術で取り出す必要があります。
犬がマスクを飲み込むと非常に危険ですので、必ず犬の手の届かない場所に保管するように心がけましょう。

犬用マスクは効果的?危険な理由とは

近年、SNSやネット通販で「犬用マスク」というワードを耳にする機会も増えました。
犬用マスクとは、その名の通り犬の口や鼻をおおうマスクです。
新型コロナ感染症対策の目的で、犬にも予防をと装着する飼い主さんが多いようです。
しかし、実は犬にとってマスクを着用することは危険でもあります。
犬は体の多くを被毛で覆われているため、私たちのように全身から汗をかくことができません。
その代わりに、口を開けて呼吸をするパウンティングという行動で体温を調節しています。
しかし、マスクをしてしまうとこのパウンティングがうまくできず、熱が体内にこもり熱中症にかかるリスクが高まります。
これは、冬場だから大丈夫だということはありません。
マスクの中は案外熱が逃げにくく、冬場でも高温多湿になりやすいので注意が必要です。

犬に増えるマスクのトラブルとは?

犬は新型コロナウィルスに感染するの?

そもそも犬は新型コロナウィルス(COVID-19)に感染するのでしょうか。
世界小動物獣医師協会(WSAVA)では、現時点での犬や猫など人間以外の動物が新型コロナに感染しうる決定的な証拠はないと発表しています。
一部では、犬に新型コロナウィルス陽性反応がでたといわれていますが、その場合も症状やヒトへの感染報告はありません。
犬の病気として「犬コロナウィルス」が存在しますが、これは新型コロナウィルス(COVID-19)とは全く別の感染症です。
以前からある犬コロナウィルスに関しては、混合ワクチンを摂取することで発症リスクを軽減することができます。

犬に増えるマスクのトラブルとは?

犬と人間は別の生き物だということを再認識する

新型コロナウィルス(COVID-19)は、猛威をふるい私たちの生活に大きな影響を与えています。
私たちは不要不急の外出を控える、三密を避ける、マスクを着用する、手洗いや消毒を徹底するなどさまざまな対策を必要とされています。
しかし、これらの行動を犬にもとらせることは、正しい行動とはいえません。
「大切な愛犬がコロナに感染したらどうしよう」と心配になる気持ちはよく理解できます。
しかし、確証のない情報をうのみにして犬に実行することは、時に命を奪う結果になりかねません。
現段階では、犬へのコロナ感染の証拠はありません。
そのため、犬にとって「おうち時間」の必要はなく、今まで通り毎日散歩に連れて行きましょう。
また、犬用マスクは熱中症のリスクが高まり危険ですので、着用しないようにしてください。

大切な愛犬を守るためには、うわさ話に翻弄されず、正しい情報を確認することが大切です。
そして、新型コロナウィルスに関しては、飼い主さんが徹底した感染対策をして自身が感染しないように注意することも大切です。
飼い主さんが感染して入院や隔離されてししまうと、最悪愛犬が一人取り残されてしまう可能性があるからです。
大切な愛犬のためにも、私たち人間が元気でいることが何より重要なのです。
また、マスクは犬の手の届かない場所に保管し、外した後も放置しないで安全な場所で保管、処分するようにしてください。

犬に増えるマスクのトラブルとは?

まとめ

現在、犬がマスクを誤食する事故が増えている傾向にあります。
新型コロナウィルス対策として、私たちがマスクを着用する機会が大幅に増えたことが原因です。
マスクをしなければならない状況のなかで、どうしても犬の手の届く範囲にマスクを置いてしまう飼い主さんが多い現状にあります。
マスクを誤食してしまうと、最悪手術をして取り除かなければならず、犬にとって大きな負担となります。
また、犬にもコロナ対策としてマスクを着用する方も増えていますが、これはおすすめできません。
現在犬が新型コロナ(COVID-19)に感染するという確証はありません。
犬は口で呼吸(パウンティング)をして、体内の熱を外へ逃がし体温調節を行います。
マスクで口を塞いでしまうことは、体内に熱がたまり熱中症のリスクが高まります。
マスクの中は高温多湿になるため、涼しい冬場であっても危険です。
新型コロナウィルスと闘う生活の中で、私たちは余裕のない生活を強いられていますが、愛犬家の方はうわさをうのみにせず、正しい情報収集を行うことが大切です。

犬に増えるマスクのトラブルとは?
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