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犬のぶどう膜皮膚症候群って?どんな病気か徹底解説します!

獣医師
畔柳沙絵
[記事公開日] 2020-09-11 [最終更新日] 2020-09-11
犬のぶどう膜皮膚症候群という病気を聞いたことがありますか?病名にもある『ぶどう膜』とは、眼球の内側を包み込むように覆っている組織の名称です。つまり、この病気はその名の通り、犬の眼と皮膚の健康を大きく損なう疾患です。
この病気の怖いところは、比較的若い年齢から発症し、放っておくと失明してしまう恐れがあること。一緒に暮らしているわんちゃんの様子が何だかおかしいな…という違和感を感じた時には、もうかなり進行している場合もあります。
本記事では、そんな怖い犬のぶどう膜皮膚症候群の症状、原因、診断、治療法について解説したいと思います。
犬のぶどう膜皮膚症候群って?どんな病気か徹底解説します!
犬のぶどう膜皮膚症候群は、人間のフォークト・小柳・原田病と同様の病態が考えられることから、フォークト・小柳・原田病様症候群とも呼ばれています。
犬の場合の発症年齢は生後6か月から6歳で、性別による発症の違いはありません。秋田犬に多い病気ですが、シベリアン・ハスキー、サモエド、チャウ・チャウ、アイリッシュ・セター、ダックスフンド、フォックス・テリア、シェットランド・シープドッグ、セント・バーナード、オールド・イングリッシュ・シープドッグなどでも発症します。

ぶどう膜皮膚症候群の症状

・眼の異常
一般的に、眼の異常が先に現れます。多くは両目、まれに片目にぶどう膜炎を起こし、瞳孔が光に反応しなくなり(瞳孔の対光反射の低下または消失)、まぶたの痙攣(眼瞼痙攣)や、眩しそうに眼をしばしば(羞明)させたりします。他にも、ぶどう膜炎の症状として、眼球の中で出血が起こったり(前房出血)、結膜炎や角膜浮腫(眼の一番表面の浮腫)を起こします。そのまま症状が進行すると、緑内障や白内障になり、最悪の場合、視力を失います。

・皮膚の異常
皮膚症状は、眼の異常が起こってから発現ことが多いです。眼の周囲や、口唇、鼻の周りなどの局所、または全身の色素が無くなってしまい(色素脱失)、白毛となります。ときに、肉球や肛門などに見られることもあります。それだけではなく、同じく眼の周囲、口唇部、そして鼻の頭に潰瘍ができ、元々の鼻の敷石状模様が消失します。ピンク色のつるりとした鼻になってしまうのです。

ぶどう膜皮膚症候群の原因

犬の皮膚の構造は、人間と同じく外側から表皮、真皮、皮下組織の3層構造で成り立っています。一番外側を覆う表皮もまた、さらに4層に分かれているのですが、その最下層に存在するメラニン生成細胞をメラノサイトと呼びます。メラノサイトは、紫外線を浴びると活性化し、メラニン色素を生成します。このメラニン色素によって犬の毛は有色になります。犬のぶどう膜皮膚症候群では、自身の免疫が過剰に働くことにより、メラノサイトを攻撃してしまいます(自己免疫性疾患)。そのため、白毛になってしまったり、色素の存在する眼に炎症を起こしてしまうのです。

ぶどう膜皮膚症候群の診断

・眼科検査、身体検査所見
前述したぶどう膜炎、特徴的な皮膚症状が判断の材料になります。また、犬種特異性として、秋田犬での発症が多いことも参考にします。
診断時に鑑別が必要な疾患としては、落葉状天疱瘡、紅斑性天疱瘡、円板上エリテマトーデス、全身性エリテマトーデス、上皮向性リンパ腫、白斑などがあります。

・病理組織学的検査
麻酔下において、ぶどう膜皮膚症候群が疑われる症状が観察される皮膚を採取します(皮膚生検)。その皮膚病片を顕微鏡で観察することで、確定診断を行います。亡くなってしまった犬の場合は、眼球を検査材料にすることもあります。

ぶどう膜皮膚症候群の治療

・眼の治療
発症初期では眼に対して積極的な治療を行うことになります。ステロイドの点眼や、結膜下注射、または全身性のステロイド、免疫抑制剤の治療を行います。抗生剤のテトラサイクリンと、ビタミンB群の一つであるニコチン酸アミドが有効な症例もいます。このような局所療法、または全身療法を行っても、症状が進行し失明してしまう犬も少なくありません。完治は困難なため、生涯にわたる治療管理が必要になります。

・皮膚の治療
皮膚の発現した症状が色素の消失や白毛のみだった場合は、生活する上での質(QOL)に影響しないため、経過観察に留めます。しかし、皮膚にびらんや潰瘍を伴う場合は治療が必要です。全身性のステロイド、免疫抑制剤を投与することになります。

犬のぶどう膜皮膚症候群って?どんな病気か徹底解説します!

まとめ

犬のぶどう膜皮膚症候群は、秋田犬に多い病気ではありますが、他の犬種でも起こる病気です。最初は眼がショボショボしている、少し充血している…といった些細な変化が、このような大きな病気に繋がっている可能性もあるのです。大切なわんちゃんの視力を失わないためにも、少しでも違和感を感じたら動物病院を受診しましょう。また、これから子犬を迎えようと考えていらっしゃる方にも、是非この病気を知って頂き、病気の早期発見・治療に繋げて頂きたいと思います。

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