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猫もお耳に要注意!意外と多い耳のトラブル

獣医師
藤井ちひろ
[記事公開日]  [最終更新日]
猫ちゃんには耳の病気はほとんどないんじゃないよね?と思われている飼い主さんいらっしゃいませんか?
確かに外耳炎や耳の炎症は、耳のたれたわんちゃんに起こりがちで、あまり猫ちゃんはひどい外耳炎になっているというものは見ないかもしれません。しかし猫の外耳炎は犬とは違った原因によるものが多く、またナイーブな猫ちゃんは耳の痛みや不快感でご飯を食べなくなってしまったり調子が悪くなることもあります。
ぜひ猫ちゃんの外耳炎のことを知って、予防に努めてあげてください。
[ 目次 ]
猫もお耳に要注意!意外と多い耳のトラブル
外耳炎は動物病院で見られる病気としてはありふれたものです。そのため、耳の中で細菌やカビが繁殖している単純なもの・・・と考えられがちですが、実はかなり複雑な原因が絡み合いなかなか治りづらくなっていることがあります。
また一度かかってしまうと再発を繰り返してしまうという厄介な面も持っています。

最近では、耳がぴんとたっている日本猫だけでなく、くるんと耳がカールしている種や、耳が小さいといった特徴がある猫が増えてきたこともあり、猫の外耳炎の相談も多くなってきています。

正しい知識を身につけて、トラブルを未然に防いであげましょう。

外耳炎の症状

耳に炎症があると、猫は痛みや不快感を感じるためしきりに耳を掻いたり頭を振ったりしています。
心配した飼い主さんが触ろうとすると嫌がり、逃げてしまうためなかなか耳の中を確認するのは難しいかもしれませんが、特にこのように頭を中心に現れる症状が特徴として見られます。

また猫本人が気にしていなくても、耳の中に黒っぽい汚れが目立つ、匂いがするなども炎症が疑われます。

猫もお耳に要注意!意外と多い耳のトラブル

外耳炎の原因

外耳炎の原因は大きく3つに分かれます

①起こりやすい環境にある
もともと炎症が起こりやすいような狭い耳の穴や縮こまった耳、また耳の中に入ってしまう長い毛を持っていると耳の中の湿度が常に炎症を起こしやすい状態に保たれてしまうため、外耳炎を発生するリスクが高くなります。

またひんぱんなシャンプーで耳の中に水が入ったのをそのままにしておくと、より湿度が上がりやすくなります。

②リスクのある病気にかかっている
耳の中で繁殖しやすいグラム陰性菌のような細菌や酵母が異常に増えてしまうこと、また耳ヒゼンダニのような寄生虫の感染も原因となります。

それ以外にも耳の中に侵入してしまいそのままになってしまっている異物、いつの間にかできてしまったイボや腫瘍、そしてアレルギー性の皮膚炎や自己免疫性疾患にかかっていると、耳の病気のリスクは高まります。

外からお迎えした猫は、自宅に来たときにすでに耳の中に何が入りこんでいることが多くあります。完全に駆除をするには時間がかかりますので辛抱強く経過を見ることが必要です。

③炎症が慢性化している
外耳炎が長く続いてしまうことによって、耳の中の皮膚が厚くなってしまったり、耳の中の分泌先の状態が変わってきたり、より耳の奥に炎症が進んでしまうことによりなかなか治らなくなってしまう状態をさします。

繰り返せば繰り返すほど、耳の穴はどんどん狭くなり感染や炎症が長引いてしまうことになります。

外耳炎の治療

原因となっているものを一つ一つ排除していくことが必要になります。

①寄生虫その量や種類にもよりますが、耳の中に駆除剤を入れるだけで不十分な場合は、耳の穴の洗浄(耳道洗浄)や飲み薬を一緒に使うことが多くあります。

②耳の中の異物やイボ、腫瘍を取り除かないと改善が見込めない場合は耳鏡(耳の中にいれる内視鏡)や実際に耳の穴を切開する(自動切開)ことで外科的な治療を行います。

③アレルギー性皮膚炎や自己免疫性疾患は、ステロイドやシクロスポリンなどの免疫抑制剤をアレルゲンの除去と組み合わせて使うことで、耳道の正常化を促します。

④細菌や真菌の感染による場合、抗生物質及び抗真菌剤を組み合わせて使用します。
耳が腫れていてうまく点耳薬がつけられない場合は、最初から飲み薬の治療を並行して行うこともあります。

⑤耳道に蓄積物が多い場合は、耳の環境をできるだけきれいに保つため、耳道洗浄を何回か行うことがあります。

猫もお耳に要注意!意外と多い耳のトラブル

お家でのケア

猫の耳の穴はもともと狭いので、炎症を起こすとお掃除するのがかなり難しくなってしまいます。
また頭や耳に触られることを嫌がる猫も多いので、外耳炎になってから人のケアをするのではなく、大事にならないよう日ごろから耳を触ったりお耳の中を掃除することが重要です。

動きの素早い猫に綿棒で耳掃除をする事は、急に動いてしまったときにかえって耳の中を傷つけ傷つけてしまう恐れがあります。
普段のお手入れは柔らかいコットンなどに耳の洗浄液をつけ届く範囲で拭き取る程度で充分です。
耳の中に洗浄液を入れ頭を振って出す方法は、耳の穴の狭い猫にはあまりオススメできません。

どうしてもお手入れが難しい場合には、あきらめず動物病院でやり方を相談してみましょう。

放っておくとこんなことに

外耳炎は耳の穴の入り口からある程度の耳道までの炎症を指しますが、治療が遅れたりうまくいかなかったりするとよりその奥の中耳や内耳まで炎症を引き起こしてしまうことがあります。

中耳炎になると鼓膜に影響が出てしまうため耳がかゆい、痛いだけではなく、常にぐずぐずと膿が出てきてしまったり、耳の聞こえが悪くなってしまったりすることがあります。
さらに悪化すると常に頭を傾けてしまうような神経的な異常にもつながります。

中耳炎の治療は非常に困難で、レントゲンもしくはCT検査で診断し外科的な治療が必要になる場合もあります。
もちろんこの状態は強い痛みを伴うため、猫には大きなストレスがかかり食欲元気がなくなってしまい、辛い思いをさせてしまいます。

まとめ

耳の炎症と言うと、すぐに命に関わるような病気ではないと軽く見てしまうこともあるかもしれません。
確かに心臓や消化管と違い、急に症状が悪化すると言うものではありません。しかし放っておくことでより治りづらくなり治療が困難になってしまう、なかなか治療することが難しくなってしまいます。

あまり猫ちゃんに嫌われたくないからと日々のケアをためらってしま飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんが、一度に徹底的にやるというよりは細々と続けていただくことが、耳の状態を保ち、また異常の早期発見につながります。

ぜひがんばってみてくださいね。

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