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5月22日はほじょ犬の日 補助犬について考えてみよう

ペット飼育管理士
増田暢子
[記事公開日] 2020-05-23 [最終更新日] 2020-05-23
5月22日は「ほじょ犬の日」です。補助犬とは、盲導犬、介助犬、聴導犬の総称です。実際には希望者に対して補助犬の数が圧倒的に不足していたり、補助犬の同伴を拒絶する施設がまだ多いというのが現実です。この機会に、補助犬について考えてみませんか。
5月22日はほじょ犬の日 補助犬について考えてみよう

5月22日はほじょ犬の日

2002年5月22日に、身体障害者補助犬法が成立しました。この法律の中に、身体障害者補助犬(以下、補助犬と記します)の定義や、訓練、認定、施設等における同伴などについてが規定されています。

この法律の認知度の向上を図るために、社会福祉法人日本介助犬協会が5月22日をほじょ犬の日と制定しました。日本介助犬協会の本部は神奈川県横浜市にありますが、愛知県長久手市に介助犬総合訓練センターを持ち、良質な介助犬の育成や、高度な知識と技術を有する介助犬訓練者の養成を行っています。

また最近は、「きみと一緒だから、どこへでも行けるのに。きみと一緒だから、行けないところがある。」というCMをテレビでみかけるかと思います。これは日本盲導犬協会のCMですが、盲導犬も、補助犬の一種です。

動物関連のさまざまなイベントや募金箱等で補助犬を実際に見たり、補助犬の存在を思い出したりという機会が増えてきていますが、実際に街の中で補助犬をみかけることは、思いの外少ないと感じることはないでしょうか。

今回は、ほじょ犬の日をきっかけに、補助犬について考えてみたいと思います。

身体障害者補助犬法と補助犬について

まずは、ほじょ犬の日制定のきっかけとなった、身体障害者補助犬法の概要と、そこに定められている補助犬について整理します。

この法律では、盲導犬、介護犬、聴導犬の3種類を補助犬と定義しています。盲導犬とは目の不自由な方の歩行のサポートを行う犬、介助犬とは身体の不自由な方の生活のサポートを行う犬、聴導犬とは耳の不自由な方に音を知らせる犬のことです。

補助犬の訓練は、訓練事業者が行うこととされており、「適性を有している犬を選択し、身体障害者の状況に応じた訓練を行うことで、良質な補助犬を育成しなければならない」と定めています。ただし、訓練事業者が育成したすべての犬が補助犬になれる訳ではなく、盲導犬は国家公安委員会が指定した法人、介助犬や聴導犬は厚生労働大臣が指定した法人による認定が必要です。そして、訓練事業者には、補助犬の実際の状況を調査し、必要に応じてフォローアップ(再訓練)を行うことも義務付けられています。

そしてこの法律では、国、地方公共団体、公共交通事業者、不特定多数が利用する施設の管理者等に、これらの施設を利用する身体障害者が補助犬を同伴することを拒んではいけないと定めています。また、民間事業主や民間住宅の管理者も、身体障害者が補助犬を使用することを拒まないように努めなければならないと規定しています。

さらに身体障害者に対しても、補助犬が正規の訓練を受けた補助犬であることを表示することを義務付け、かつ補助犬に対して、行動管理や衛生管理を含め適切に取り扱うことを義務付けています。

公益財団法人日本補助犬協会が公表している日本国内の補助犬の数は、2019年3月31日時点で盲導犬=941頭、介助犬=65頭、聴導犬=68頭です。都道府県別で見ると、最も多いのが東京都で盲導犬=103頭、介助犬=6頭、聴導犬=16頭、最も少ないのが鳥取県の盲導犬=4頭、介助犬=0頭、聴導犬=0頭と長崎県の盲導犬=3頭、介助犬=0頭、聴導犬=1頭です。

日本で盲導犬を希望している方は約7,800人、介助犬や聴導犬を希望している方はそれぞれ10,000人いらっしゃると推定されていますので、実際にはまだまだ必要とされている数には遠く及ばない状況だと言えます。

また、盲導犬が最も多い東京でも、普段あまり街や施設の中でみかけることがありません。冒頭で触れた、日本盲導犬協会のCM「きみと一緒だから行けないところがある。」というのは、残念ながらまだまだ多いのが現実のようです。実際に日本盲導犬協会が2020年に行った調査の結果、盲導犬ユーザーの半数以上がこの1年間に受け入れ拒否を経験していたことが分かりました。

盲導犬の一生

補助犬の一生についてみていきましょう。補助犬は、どのように子供時代を送り、訓練され、現役時代を終えるとどのような老後を送るのでしょうか。今回は補助犬の代表として、盲導犬の一生について整理します。盲導犬の場合は国家公安委員会が指定する法人からの認定、介助犬と聴導犬は厚生労働大臣が指定する法人からの認定となるため、種別により認定の方法や繁殖の方法等に多少の差異はありますが、大まかな流れは似ています。

1. 繁殖犬
盲導犬に適した性格の繁殖を確保するために選ばれた繁殖犬が、盲導犬の繁殖を担います。繁殖犬達は、普段は繁殖犬ボランティアの下で生活しています。

2. 子犬時代
生まれた子犬は、生後2ヶ月になるまでは母親や兄弟と一緒に暮らします。その後、パピー・ファミリーというボランティアの下で、1歳になるまで一般の家庭犬としてたくさんの愛情を受けながら暮らします。この10ヶ月間の生活で、人を信頼し、人の社会の中で生きていくためのマナーやルールを身につけます。

3. 訓練
1歳になって訓練センターに戻ると、3週間かけて適性評価が行われます。この評価の結果、候補犬になれる犬は4割程度です。残りの犬達は、キャリアチェンジといって一般の家庭でペットとして暮らすことになります。候補犬は、約10ヶ月の基本訓練と誘導訓練を受け、その後将来の主人となる方との約1ヶ月の共同訓練を受けます。

4. 現役時代
共同訓練を終えると、候補犬は盲導犬として目の不自由な主人と一緒に暮らしながら盲導犬として活動します。最初の1年間は、ユーザーも盲導犬も初めてのことが多く苦しい期間ですが、それを乗り越えながらお互いの信頼関係を深めていきます。盲導犬の現役期間は2歳から10歳までの8年間です。

5. 引退後
10歳で現役を引退した盲導犬は、引退犬ボランティアや訓練センターが運営する老犬ホームなどで余生を過ごします。場合によっては、ユーザーがそのまま引退犬として引き取ったり、パピー・ファミリーの元に引き取られるケースもあります。現在、盲導犬の主流であるラブラドールの平均寿命である13〜15歳程度で息を引き取るまで、こういった環境でのんびりと過ごすことになります。

補助犬をもっと広く受け入れられる世の中に

補助犬については、動物愛護の観点から反対する声が上がっているのも事実です。訓練事業者は複数ありますので、中には改善の余地がある事業者もあるかもしれません。また、犬にとって人のサポートを行う仕事を義務付ける行為そのものに疑問を感じる方もいらっしゃるでしょう。

ロボットやAI等の科学技術の進歩に伴い、補助犬が必要ではなくなる時代が来るかもしれません。しかし、それまでの期間、補助犬がいるから生き甲斐を持って生活できる方がいらっしゃるのも事実です。また補助犬に対しても、サポートを強制するのではなく、補助犬が楽しみながら人をサポートできるように訓練を行う工夫もなされています。

補助犬を必要とする方がいて、その方をサポートする補助犬がいる以上、もっと補助犬を広く受け入れられる世の中にしていく必要があるのではないでしょうか。補助犬の受け入れや、制度の中に組み込まれている多数のボランティアの存在を知ることで、寄付金という形も含め、今まで気付かなかった障害者や補助犬のためにできることがみつかるかもしれません。

記念日を一つのきっかけとして、もう少し補助犬について関心を持ってみてはいかがでしょうか。この記事が、その一助になれば幸いです。

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