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犬の椎間板ヘルニアにおける外科的処置

獣医師
久保井春希
[記事公開日] 2020-01-27 [最終更新日] 2020-01-27
椎間板ヘルニアは人では聞いたことの多い疾患だと思いますが、犬でも多く発生します。
急な症状の発症から起立不能に至るまで進行が早くしっかりとした診断と治療を有します。
今回はグレード5で外科的処置を必要とする椎間板ヘルニアについてお話ししていきます。
犬の椎間板ヘルニアにおける外科的処置
急な四肢麻痺や後肢の麻痺が起こった時 飼い主さまは自分の愛犬に何が起こったか理解に苦しむと思います。さまざまな原因が考えられますが、原因疾患の一つとして椎間板ヘルニアが疑われます。
軽度なものであれば 内科療法で改善が認められることが多いですが、重度な麻痺が生じているものは緊急手術が必要となります。
どのような状況が緊急手術を必要とするのか、そして どんな手術があるのかをご紹介していきます。

椎間板ヘルニアとは?

椎間板とは、椎骨の間にあるゼリー状の組織で、骨と骨の間でクッションの役割をしています。椎間板は『線維輪』、『髄核』という組織からなっています。椎間板が何らかの原因で突出し脊髄を圧迫している状態が「椎間板ヘルニア」です。
 椎間板がでている場所により症状は異なりますが、肢に麻痺が起こり、場合によっては歩行困難になったり、排泄のコントロールができなくなります。

犬の椎間板ヘルニアにおける外科的処置

手術をようする椎間板ヘルニアとは?

犬の椎間板ヘルニアは2つの型に分類され、急性に発症するI型椎間板ヘルニア、加齢に伴い変性を起こし発症したタイプをII型椎間板ヘルニアと呼びます。また、椎間板ヘルニアなどで脊髄が損傷し、脊髄の融解壊死が起こる事があります。
稀に、この融解壊死が進行し止まらないことがあり、これを「進行性脊髄軟化症」といい、最終的に亡くなる可能性の高い疾患です。

手術はどこからひつようになるのか?
まず、椎間板ヘルニアひ5段階に分類されます。1番軽度な状態は痛みのみのグレード1そこからふらつきや痛覚の消失などを経て、最終的に麻痺と深部痛覚(骨までつまんでも 全く反応しない)の消失が出てしまうグレード5です。グレード5の診断では屈曲反射を見てしまう方がいるため注意が必要です。
グレード5になってしまうと48時間以内に手術を行わないと機能回復が見込めない可能性が高くなってしまうので緊急手術となります。
また、頸部椎間板ヘルニアの場合は四肢麻痺が発生し起立不可になり、呼吸や体温調節など生命機能に関わってくるため こちらも緊急手術が必要です。

犬の椎間板ヘルニアにおける外科的処置

診断と外科的処置

現在 1番確実に病変を特定できる検査はMRIです。CTやレントゲンでも特定することは可能ですが、正確性や診断能力はMRIに劣ります。
まず、どこの椎間板が突出しているのか?また、脊髄軟化症は起きていないか?などしっかりと診断しどちらから手術するべきか決定します。
次に手術法ですが、一般的には左右一方からの片側椎弓切除術(ヘミラミネクトミー)が一般的に用いられます。椎弓を切除し 減圧と椎間板の摘出を行います。
しかし、最近では機能の早期改善と手術時間の短縮などから 椎弓切除を行わずに副突起を取り 小さな窓を開けそこから椎間板を摘出する ミニラミネクトミーが用いられることもあります。

そして、真下から突き上げるように椎間板が出ており ヘミラミネクトミー、ミニラミネクトミーでは椎間板の摘出が困難な場合は 椎体の床を取り除くコルペクトミーが用いられますが、こちらはかなりの難易を有する術式なので限られた病院でしか実施されていないです。

頸部の椎間板ヘルニアの場合は腹側より椎間板を摘出するベントラルスロットが用いられます。
このように多種多様な術式が用いられるようになっており、より早期の手術により症状の改善が見込めます。

犬の椎間板ヘルニアにおける外科的処置

まとめ

椎間板ヘルニアのグレード5は基本的に内科療法で治る見込みはかなり少ないと考えています。早期の的確な診断と手術までのスムーズな対処でしっかりとした改善が見込める為 主治医と相談することが重要です。
治療のゴールデンタイムを逃さないようにしてください。

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