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犬は人につき猫は家につく? 猫のための縄張りづくり

キャットケアスペシャリスト
増田暢子
[記事公開日] 2020-01-31 [最終更新日] 2020-01-31
猫にとって、縄張りはとても重要なものです。そのため、猫は縄張りを主張し、守ることにとても執着します。そのことを理解できれば、飼い主さんも愛猫も、共に快適に暮らしていくことができます。猫が安心できる縄張りを作れるようにするためのポイントを紹介します。
犬は人につき猫は家につく? 猫のための縄張りづくり

猫にとって大切な縄張り

時々、「犬は人につき、猫は家につくんだからね。猫は飼い主に特別な愛情なんて感じていないんだ。」と言う方がいます。たしかに、この言葉は昔からよく言われており、犬と猫の習性をうまく言い表している言葉だと思われています。

しかし、「猫は家につくから飼い主に特別な愛情なんて感じていない」というのは本当でしょうか。実は、「食べ物、おもちゃ、におい、人との交流の4つの内、猫が最も好むのは人との交流である」とか、「しばらく飼い主から離された後に飼い主と再会した時に猫が安心した様子を示す割合は、犬や幼児の実験結果と類似の傾向を示す」など、猫も飼い主との間に愛情を築いているとする研究結果がいくつか発表されているのです。

では、なぜ「猫は家につく」と言われているのでしょう。それは、猫が縄張りに対してとても強い執着を持っているからだと考えると理解できます。

猫はどうやって縄張りを守るのか

人の場合、家を建て、家と庭の周辺に塀を作ります。また地図を作り、そこに県境や国境を記入します。これらが、人の場合の縄張りと言えるでしょう。しかし、猫は塀を作ったり地図を作ったりはしません。猫はどのように縄張りを主張し、守っているのでしょうか。

人が自分たちの縄張りを主張するために塀を作ったり地図に境界線を入れるのと同じように、猫も自分の縄張りを示すために、縄張りのあちこちにマークを残します。その行為をマーキングと言います。

人の場合は、物事を把握するために主に視覚情報を使います。しかし、猫は視覚情報よりも嗅覚情報を重視します。においから、多くのことを知るのです。そのため、猫のマーキングの主な情報はにおいです。

猫は、縄張りの中にある重要なものに対して自分のにおいを残します。基本的に、猫は体臭が少ない動物ですが、排泄物のにおいはかなり強烈です。そのため発情期の雄猫は、自分の縄張りを主張するために尿でマーキングを行います。これを尿スプレーと言います。

猫には、雄にも雌にも、強いにおいのする分泌物を出す腺があります。その腺は、耳の付け根の後ろ側、口の周り、肛門の両側、肉球などに集中しています。猫は縄張りの中にある大切な物に、その腺をこすりつけて自分のにおいを残していくのです。また爪とぎをすることで、古くなった爪の層を剥がして下から新しい鋭い爪を出すのですが、その時に付いた傷跡やにおいもマーキングとなります。

縄張りのあちこちに自分のにおいを残し、そのにおいを常に上書きすることで、猫は自分の縄張りを主張し、そのにおいの中で安心して過ごすことができるのです。そのため、リフォームや引越し等で自分のにおいがなくなってしまうと、側に飼い主がいても猫は不安になってしまうのです。

群れで暮らす猫の縄張り

ネコ科動物の多くは単独で生活をします。ネコ科動物の中で群れで暮らす代表格はライオンですが、人と一緒に暮らしているイエネコも、群れで生活することができる動物です。だからこそ、人と一緒に暮らしたり、完全室内飼いで複数頭を飼育したりできるのです。

そうは言っても、イエネコも基本的には個人主義の動物です。そのため、群れの中であっても、個々の猫はきちんと自分の縄張りを守りながら暮らします。平面的に見ると重なり合っている縄張りも、猫たちは高さや時間をうまく利用して共有しています。

また、猫は自分と群れの仲間のにおいを混ぜることで、群れのにおいを作り出すとも言われています。つまり、自分だけの縄張りではなくても、群れのにおいがすることで、安心することができるのです。

猫にとって居心地の良い住環境の作り方

自分が猫だったとしたらと考えてみてください。獲物を捕まえることができ、かつ自分の身を天敵から守れるくらい良く理解できている場所、それが縄張りです。猫にとって縄張りがとても重要だということをご理解頂けるのではないでしょうか。

猫と一緒に暮らすことになった場合、飼い主さんは自分と猫の生活空間の中に、うまく猫の縄張りを作れるようにすることを考えなければなりません。なぜならば、それが猫にとって居心地の良い住空間になるからです。

猫と一緒に暮らすことになった場合、飼い主さんが猫の縄張りのために考えるべきポイントを下記に挙げますので、愛猫の縄張りのための工夫点として参考にしてください。

1. 猫が安心できる場所を決める
まず、猫が安心して過ごせる縄張りの中心となる場所を決めます。それは、飼い主さんと一緒に過ごす場所であることが好ましいです。愛猫と飼い主さんの群れのにおいがする、猫のホームグラウンドとなるので、リビングとか寝室、書斎のような場所が良いでしょう。

2. 猫がマーキングしても良い場所を用意する
猫が安心できる場所を決めたら、そこに猫のベッド、トイレ、、爪とぎなどのマーキングをしても良い物を置きます。猫が慣れてきて、安心してのびのびと振る舞うようになったら、そこが猫の縄張りになった証です。猫のにおいの染み付いた爪とぎやブランケットなどを別の部屋にも置き、猫の縄張りを広げていき、最終的には家のほとんどの部屋を縄張りにしていきます。その際、絶対に猫を入れない部屋を1つ確保しておくことも考えておきましょう。飼い主さんが心安らかに暮らすために、必要な部屋になるかもしれません。

3. 高いところから縄張りを見渡せるようにする
猫の跳躍力は驚愕に値します。とにかく、猫は高いところが大好きです。高いところは、縄張り全体を見渡すことができますし、天敵から身を守ることもできるからです。この場合の天敵とは、小さなお子さんとか時々しつこくしてくる同居犬だったりします。とにかく、棚や冷蔵庫などの上は、愛猫のために開放してあげましょう。場合によっては、キャットタワーやキャットステップを設置してあげると良いでしょう。

4. 多頭飼いの場合も棲み分けさせて各猫の安心できる場所を作る
最初は愛猫1匹と始めた猫との暮らしだとしても、何らかの事情で新しい猫を迎え入れることがあるかもしれません。その場合、新しく迎え入れる猫と先住猫とは、先住猫のホームグラウンドで引き合わせるようにします。なぜなら、そこが先住猫にとって最も安心できる、縄張りの中心地だからです。新入り猫と先住猫が慣れて一緒に暮らせるようになったら、猫たちの様子をよく観察し、それぞれの猫が縄張りをうまく共有できるようにしてあげます。それには、高さをうまく利用しましょう。また、ベッドはそれぞれの猫に用意し、トイレは最低でも猫の頭数+1個用意するのが原則です。

棲み分けることでお互いに快適な暮らしを確保しよう

多頭飼いの場合はもちろんですが、単頭飼いの場合も愛猫と飼い主さんとの棲み分けを上手に行うことで、共に快適に暮らすことができます。

たとえば、飼い主さんが大切にしている大事な家具に爪とぎをしてやめさせられない場合、その家具を猫の出入り禁止部屋に置いておくのも解決策の一つです。また、洋服に愛猫の毛がついてしまって出かける前の支度に時間がかかる場合も、猫の出入り禁止部屋を衣装部屋にする策が有効でしょう。

愛猫と上手に棲み分けて、猫も飼い主さんも共に快適に、長く一緒に暮らしてください!

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