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猫の変形性関節症について

獣医師
高橋 渉
[記事公開日] 2020-02-06 [最終更新日] 2020-02-06
・猫の変形性関節症とは
・猫の変形性関節症の症状
・猫の変形性関節症の診断
・猫の変形性関節症の治療
猫の変形性関節症について

猫の変形性関節症とは

変形性関節症とは、骨と骨の間にある関節に強い負荷がかかったり、炎症がおこることで、軟骨が擦り減り、関節の構造が変化することによって起こる慢性の関節症のことです。若齢の猫でも起こりますが、12歳以上の猫の90%で、少なくとも一か所以上の変性性関節疾患があると言われており、高齢の猫に多い病気です。この変形性関節症は、全ての関節に発症しますが最も多く見られるのは肘の関節であり、次に背中の骨である椎体、そして膝の関節におこります。変形性関節症を起こす原因としては、老齢や肥満だけでなく、猫種、体質や外傷などによっても起き、多岐にわたります。特にスコティッシュフォールドは、骨軟骨形成異常という疾患が原因でこの病気になることがあります。

猫の変形性関節症の症状

猫の変形性関節症は、病気の起こり始めにはほとんど症状を見せることがなく、症状が出てきても老齢や肥満によるものだろうと考え、ご家族に気づかれない場合が多いです。また犬の場合は、痛みのある足をあげるなどのわかりやすい症状を見せることが多いですが、猫は、そのような症状を見せることが少ないです。以下に関節症の猫の症状をいくつか挙げてみます。
・おもちゃで遊ばなくなった
・体を触るのを嫌がる
・高いところに登らなくなった
・毛づくろいをしなくなった
・攻撃的になった
・トイレで排便排尿しなくなった
・寝ている時間が延びた
・爪とぎをしなくなった
・足をひきずる、動きがスムーズではなくなった
などです。もしどれかが当てはまる場合は注意が必要です。

猫の変形性関節症の診断

この病気をできるだけ初期に見つけるためには、ご家族がいかに注意深くその猫を観察できるかも重要になってきます。そして、上記のような症状がある場合は、かかりつけの獣医に相談しましょう。動物病院でこの病気を診断する上では、触診とレントゲン検査をおこないます。
① 触診
身体検査として関節の動き、歩行、筋肉量、関節の腫れなどを触診します。
② レントゲン検査
レントゲンを用いて画像上の変化がないかを確認します。関節症が進行すると関節腫脹、骨棘形成、軟骨の石灰化などがおこります。しかし、こういった検査により確認できるときには、症状が進行してしまっている場合が多いです。

猫の変形性関節症の治療

変形性関節症の治療は、病気の原因をなくすこと、そして、症状を改善し、その進行を遅らせることが重要です。この病気は、一度の治療によって治る病気ではないため、長期的に継続した治療が必要になります。状態に応じて獣医師と相談のうえ、無理のない治療計画を立てましょう。
① 消炎剤
痛みのある猫に対しては、非ステロイド性の消炎剤を使用します。しかし、猫は犬よりも非ステロイド性消炎剤に対しての副作用が出やすい傾向があるため注意が必要です。
② 体重管理
肥満により変形性関節症が疑われる猫の場合は、減量を行い関節への負担を軽減することが重要です。猫の減量をする際の注意点としては、ご飯の量を減らすのではなく、カロリーを抑えた減量用フードをご利用ください。フードの量を減らす減量は、猫にストレスを与えるばかりかカロリーだけでなく必要な栄養素も減らしてしまうためです。また、急激な減量は、猫に肝リピドーシスという肝臓の病気を起こす可能性があるため獣医の指導のもと適切に行うようにしてください。

③ 運動
慢性的な痛みによって猫は運動することをやめ、じっと寝ていることが多くなってしまいます。すると、筋肉量が減り、筋肉の機能が衰えていきます。結果として、さらに関節の負担が重くなり、関節症が悪化していくという悪循環になってしまいます。そこで、消炎剤の使用や減量とともに運動をさせることで、衰えた機能を回復させる必要があります。運動が困難な場合は、マッサージやストレッチによりまず筋肉の緊張を和らげるところから始めてみるといいかもしれません。また、ご飯を食べることが好きな猫であれば、家の中のいろいろな場所にご飯を置き、本人がそれを探して食べに行くようにしてみると、自然と部屋の中を移動する習慣がつき、無理のない運動になるでしょう。

④ サプリ
グルコサミンやコンドロイチン、緑イ貝抽出物などが関節疾患に効果があると言われています。しかし、すぐに効果が出るわけではなく、効果が実感できる場合もできない場合もあるため、使用の際はご家族の希望にそって処方されます。

⑤ 環境整備
関節への負担を避けるために、例えば、足の裏の毛が延びている子であれば、それを短くし肉球がしっかり地面につけるようにしたり、爪を短く保ってください。またフローリングなどの滑りやすい床の場合は、滑り止めのマットや絨毯を引いてあげてください。他にも、自然と遊べるような遊び道具を購入したり、キャットタワーなどで普段から楽しく動けるようなものを置くのもいいでしょう。

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