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第4の癌治療〜活性化リンパ球療法〜

獣医師
久保井春希
[記事公開日] 2019-12-09 [最終更新日] 2019-12-09
今回は近年 人医でも話題になっている免疫細胞療法の中の活性化リンパ球療法を説明していきます。
癌治療において従来の外科療法、化学療法、放射線療法に加えて第4の癌治療として注目を集めている治療法です。動物医療でも近年 実施する病院が増えてきているので、これからますます盛んになる治療法だと思っています。
第4の癌治療〜活性化リンパ球療法〜
自己活性リンパ球移入療法は、ガンに罹患した犬や猫の末梢血を採取し、そこから体内免疫に機能するTリンパ球を特異的に培養・増幅して再度患者に戻すことで抗腫瘍効果を期待する細胞治療の1つである。
ガン治療における化学療法が直接的な腫瘍細胞への攻撃で組織の低減を図る一方で、活性化リンパ球療法は外科的手法による腫瘍組織の切除あるいは減容積を図るとともに自己の免疫細胞によって腫瘍の再発や転移のコントロールをおこなうという、よりマイルドな治療スタンスをとります。

第4の癌治療とは?

外科治療、化学療法、放射線療法はガンにおける三大治療法である。しかしながら、外科治療における再発や転移のリスク、また化学療法や放射線療法の重篤な有害事象の問題などがある。また、三大療法のうち2つは化学系の物質や放射線で細胞の殺傷を狙うものであり、どうしても副作用の問題が生じてしまいます。
この免疫細胞療法は、その流れをくむ1つの治療法のひとつであり、1番大きな特徴としては、自己の細胞を使用するため副作用がほとんど起こらないことが挙げられます。

第4の癌治療〜活性化リンパ球療法〜

活性化リンパ球療法の仕組みは?

末梢血からリンパ球を分離してCD3抗体とIL-2を用いた培養系で1000倍程度まで増殖させガン患者に投与する治療法です。
リンパ球群のうち、細胞表面にCD3分子をもつヘルパーT細胞、キラーT細胞になどが増殖することで抗腫瘍効果を期待しています。

第4の癌治療〜活性化リンパ球療法〜

適用に関しての禁忌は?

ほとんどの固形癌には適用としていますが、液性癌 例えばT細胞型リンパ腫の場合にはこの培養自体がTリンパ球を培養することで腫瘍細胞を増殖させてしまうリスクがあるため適用外です。
また、猫のFIVやFeLVに感染している猫はリンパ球培養中にウイルスを増殖させてしまうとともに汚染による二次感染のリスクが考えられるため適用外となっています。

第4の癌治療〜活性化リンパ球療法〜

活性化リンパ球療法の適用報告例

乳腺腫瘍
肥満細胞腫
メラノーマ
リンパ腫

まとめ

昨今の人医療においても、抗がん剤や侵襲性の手術によって癌や腫瘍組織をなくす、いわばガンに打ち勝つという考えから、ガンの成長をコントロールしてガンとともにいきていくという時代に入っています。副作用もなく生活の質が維持できる活性化リンパ球療法はこれからの時代に即した治療法の1つと言えると思います。

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