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間葉系幹細胞療法について

獣医師
久保井春希
[記事公開日] 2019-12-10 [最終更新日] 2019-12-10
近年、再生医療が人においても注目を集めていますが獣医療においても目覚ましい進歩を遂げています。
自分自身の細胞を用いて、損傷した組織を修復する幹細胞療法について今回はご紹介して行きます。
間葉系幹細胞療法について
自身の細胞を体外で培養し、損傷を受けた組織や器官の治療を行うものを再生医療と言います。これまで、治療法が存在しなかった難病などに対する新たな治療法として注目され、全世界で研究されています。ヒト医療においては、先進医療に認定されいて、すでに臨床現場おいて利用が開始されている治療方法です。

再生医療は、本人から採取した細胞を体外で増やし、病気の症状にあった細胞に分化させた後に、本人に移植していきます。今回は最先端の治療法についてご紹介していきます。

間葉系幹細胞療法とは?

犬と猫や人の体には、さまざまな器官や臓器などに変化する細胞があります。この細胞のことを幹細胞(かんさいぼう)と呼びます。間葉系幹細胞療法とは、この幹細胞を体外で培養し、再び体内に戻すことで、損傷した臓器や怪我の再生を行う治療です。
この治療法では、2種類の幹細胞を利用します。①骨髄液中に存在する骨髄幹細胞、②皮下脂肪の中に含まれる脂肪幹(しぼうかん)細胞の2つです。
これらの幹細胞は、骨、軟骨、筋肉や心筋細胞、血管を形作る細胞にまで変化することがわかっています。
この幹細胞療法とは、自らの細胞から必要な器官や臓器を「再生」させる治療です。

間葉系幹細胞療法について

幹細胞が働く仕組み〜脊髄損傷の場合〜

①生体組織に脊髄損傷が起こった時に、損傷部位が『この部位が損傷した』というシグナルを血行に向かって発信する。

②間葉系幹細胞がシグナルを感知し、骨髄や脂肪などから発進し、血行にのって身体全体を駆け巡り脊髄損傷部を見つけて集積する。

③損傷部の組織の種類に応じて神経栄養因子などのサイトカインを分泌し、応急手当をする。

④損傷部に血行を新生するサイトカイン、血管新生因子を分泌し、血行を構築する。

⑤損傷部位に応じて、間葉系幹細胞が血管内皮細胞や組織特有の細胞に分化する。

⑥より原状に近い組織の機能を回復する。

幹細胞の採取から培養、点滴までのながれ

腹部や肩の皮下脂肪を麻酔下にて採取し培養室にて培養。2週間後に1回目の静脈点滴、さらに1週間後に2回目の点滴、もう1週間後に3回目の点滴を行う方法が用いられています。

間葉系幹細胞療法について

幹細胞療法のメリットとデメリット

メリットは副作用が少なく、他の治療とも併用が可能なことです。
加えて、多発性の椎間板ヘルニアの様な損傷部位が多い場合に対しても有効です。

デメリットは実施できる病院が少ない事、費用が高額であることなどが挙げられます。

まとめ

さまざまな病気の診断が確立されていく一方で、まだ治療法のない疾患も多いのが獣医療の現状です。
この再生医療などがその患者様の希望となればと思っています

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