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老猫と一緒に暮らす際に気をつけたいこと

キャットケアスペシャリスト
増田暢子
[記事公開日] 2019-06-10 [最終更新日] 2019-09-18
獣医療の発達と共に、猫の平均寿命も延びてきました。今や、老人が老猫の介護をしている家庭も珍しくはありません。老猫と一緒に暮らす際に気をつけるべきことを理解することで、飼い主さんの負荷を高めることなく、共に歳を重ねていくことも可能なはずです。
[ 目次 ]
老猫と一緒に暮らす際に気をつけたいこと

12歳を過ぎたら老猫の仲間入り

猫と人とでは、流れている時間の早さが異なります。そのため、猫は最初の1年で人間の15歳相当にまで成長し、次の1年で人間の24歳相当にまで成長します。その後、猫は1年で人間の4歳に相当する早さで歳をとっていきます。人間の高齢者が65歳以上ですから、その歳に見合った猫の年齢をみてみると、12歳を3ヶ月程過ぎたあたりということになります。その頃は、猫にとっても飼い猫の平均寿命の8割を過ぎた頃にあたります。これらを考え合わせると、飼い猫、特に完全室内飼いをしている猫にとって、12歳を過ぎたあたりからは、老猫としての扱いをしていくことが望ましいと言えるでしょう。

老猫になったからといって、猫の生活をガラッと一変させる必要があるわけではありません。人と同様に、猫も歳をとると次第に運動能力や適応力が低下していきます。しかし、猫自身は自分の老を自覚していませんので、今まで通りの生活を続けようとします。そこに無理が生じ、怪我をしやすくなったり、生活環境の改善が必要になったりするのです。

猫が歳をとり、老猫になった場合に気をつけなければならない日頃のケアや健康管理の注意点について、考えてみましょう。

老猫だからこそ気をつけたい日頃のケア

老猫は、体力も落ち、自分を守るための免疫力も落ちています。そのため、老猫の特徴も意識して、環境を改善したり、衛生状態を保ったりする必要があります。

(1) まずはバリアフリー化から考えていきましょう
飼い主さんが愛猫の老化に真っ先に気付くであろうことの一つに、筋力の低下があると思います。今まで楽々と上っていた所に飛び乗ることができなくなるとか、上ることはできたのだが、降りる時にうまく降りられず、怪我をしそうでハラハラするといったことが起こります。また、猫は最後までトイレで排泄を行おうとするのですが、トイレの入り口を乗り越えることが難しくなったり、トイレに行くまでの間の部屋の段差でつまずいたりといったことも多くなります。猫の様子をよく観察し、キャットタワーを低くしていくとか、椅子の上に物を乗せて上がれなくする、部屋の段差やトイレの入り口にスロープを設置するなど、猫にとってのバリアフリーを実施していきましょう。

なお、老猫に留守番をさせなければならない場合は、安全な環境を整えてあげる必要があります。できれば、平らで段差のないある程度のエリアを確保し、その中にトイレや餌、水、寝床を設置し、周囲を柵で囲って出られないようにすると良いでしょう。それができない場合は、猫が上がれる場所をなくす、入り込んでしまいそうな隙間をなくすなどの準備が必要です。

(2) 上手な温度と湿度の管理を行いましょう
歳と共に温度管理も苦手になっていきます。若い頃以上に温度や湿度の管理に気をつけてあげましょう。夏は28℃程度、冬は22~24℃程度が理想的です。また、冬は乾燥しがちなので、加湿器等で湿度が50%程度に保てるようにしてあげましょう。また、猫は温度に対する感度が落ちてくるため、ストーブやこたつ、ヒーターなどで低温やけどを負うリスクが高くなります。エアコンを利用する等、暖房器具にも配慮が必要です。

(3) 老猫にも食餌は大切です
歳をとると、歯周病やネックリュージョン等で硬いものはあまり食べられなくなる傾向があります。その猫の状態や好みに合わせて、老猫に必要な栄養バランスの食餌をきちんと取れるようにサポートしてあげましょう。また、老猫に多い病気の中に、腎臓病があります。腎臓病による脱水症をケアするために、自宅で皮下補液を行う必要が出てくる場合があります。その場合は、動物病院でしっかりと練習させてもらい、自宅できちんと適切な皮下補液をすることで、水分管理をサポートしましょう。

(4) 老猫は便秘になりがちです
老猫は便秘になりがちです。一所懸命に力んでもなかなか排泄できず、嘔吐してしまうことも珍しくはありません。そのような場合は、猫を上向きにした状態で膝の上にだき、飼い主さんの指の腹で、猫のお腹に「の」の字を書くようにしながらマッサージしてあげると、良いです。「の」の字にできない場合、上から下へとマッサージするだけでも良いでしょう。あまりにもひどい場合には、動物病院に相談し、整腸剤などを処方してもらうとか、消化性の高い原材料を使った消化器サポート系のフードを与えるのも良いでしょう。

さらに老化が進んでくると、トイレまで間に合わなくなったり、うまく歩けなくなったりし、粗相することが増えてきます。その場合は、トイレを増やしたり、猫の様子を見ていてトイレのタイミングを察知し、飼い主さんがトイレに連れて行ったりすることで、介助してあげましょう。紙おむつは、なるべく最終手段として考えるようにした方が良いでしょう。

(5) その他
ブラッシングや耳掃除、歯磨きといった日頃のケアは、老猫にも必要なケアです。ただし、体力が落ちていますので、シャンプーはせずに、体を濡れたタオルや市販のボディシートで拭いてあげることで問題ありません。その場合も、室温を普段よりも1~2℃高くしてから行うのが良いでしょう。

爪が伸びるのも遅くなります。しかし、爪は確実に伸びていきますし、また爪研ぎをして古い爪を剥いで新しい爪を出すということもしなくなります。そのため、爪は太くなり、切りにくくなっていきます。こまめに爪の状態をチェックし、少しづつ切るようにしましょう。伸びすぎると、爪が太いのでとても切りづらくなり、猫にも負荷がかかってしまいます。

若い頃に比べると、目やにが出やすいのも老猫の特徴といえるでしょう。日々のケアとして、ガーゼ等で目の周りを拭いてあげるようにしましょう。耳掃除と合わせて、週に1度はケアするのが理想的です。

老猫だからこそ気をつけたい健康管理

老猫は、体力も免疫力も低下するため、病気に罹りやすくなります。また筋力が衰え、やりたいことが思うようにできずに怪我をすることも多くなります。だからこそ、若い頃以上に健康管理には気を使う必要があるのです。そのために、どのようなところに気をつけるべきかを下記に挙げます。下記を意識しながら普段の猫を観察し、いち早く病気や身体能力低下の兆候を察知しましょう。

・半年に1回は動物病院で健康診断を受けましょう
・猫の普段の様子をしっかりと把握し、小さな変化にも気づけるようにしておきましょう
・毎日のスキンシップで、体にしこりがないかをチェックしましょう
・飲む水の量やおしっこの量が増えたら腎臓病のサインです
・健康のバロメーターは、排泄と体重の変化です
・猫がそぶりを見せなくても、視力や聴力が低下しているかもしれません
・猫は、痛くても騒がず、静かにじっとしています

老猫と一緒に暮らす際に気をつけたいこと

最期を迎えて後悔しないように

どんなに大切にケアをしても、最期を迎えない猫はいません。愛猫が最期を迎えたら、後悔しない飼い主さんはいないことでしょう。しかし、その後悔を少しでも減らせるように、「あの時こうしておけば」と思わなくてすむように、日頃のケアをしっかりと行いましょう。

そうは言っても、全てを完璧にこなそうとすれば、飼い主さんの負荷が高くなりすぎます。猫の年齢のステージに見合った注意点があります。老猫に必要な注意点を理解した上で、生活環境の改善やケアを行いましょう。そうすることで、飼い主さんにも愛猫にも、無理のない幸せな生活を続けられるはずです。

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