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動物病院での誤飲対処について

獣医師
高木俊輔
[記事公開日]  [最終更新日]
動物病院には、異物誤飲(食べ物ではないものを飲み込んでしまう)をした犬や猫が来院されることがよくあります。
では、実際にどういった流れで治療が進むのでしょうか。
今回は動物病院での異物誤飲の対処をご紹介します。
[ 目次 ]
動物病院での誤飲対処について
仔犬仔猫の時期や、好奇心が強かったり、いつもお腹を空かせているような子は、食べ物ではないもの(異物)を誤飲してしまうことがあります。また、本人は口に入れて遊んでいるつもりでも、飼い主さんがそれを目撃してしまい慌てて取ろうとしたら勢いで飲み込んでしまった、ということもよくあります。
今回は、異物誤飲をしてしまったら獣医がどのように対処するのかについて、簡単に・分かりやすくお伝えします。

どんな異物を誤飲するの?

簡単に言うと、その子が興味を示したものを誤飲する可能性が高いです。
タバコの吸い殻、電池、イヤホン、小銭、スーパーボール、布、糸、指輪、焼き鳥の串など、その種類は非常に多岐に渡ります。傾向として、猫は光るものが好きで針を誤飲したり、糸やヒモで遊んで口に入れているうちに誤飲してしまうことが多いです。

なぜ誤飲してしまうの?

好奇心が旺盛だったから、食べ物の匂いがしたから、取られたくないから、など様々です。
仔犬は誤飲をしてしまうことはよくありますが、成犬になると頻度は少なくなると言われています。成犬で誤飲を繰り返す子は身体の中で慢性炎症が起きているとされています。

誤飲した子が来院したら

誤飲した子が動物病院に来院したら、まず何を誤飲したか、誤飲してからの経過時間、誤飲した後の動物の状態を確認します。それによって対処法が変わってくるためです。
そして、便で出てくるようなものであれば、そのまま数日経過観察とします。
もし便で出てくるかどうか微妙なところで、なおかつ形が尖っていなければ、催吐処置を試みます。これは薬で強制的に吐き気を催させて異物を吐き出させるというものです。これは明らかに吐き出せないような大きな異物だったり、尖っていて胃や食道の粘膜を傷つける危険がある場合は適応になりません。催吐処置は2種類のやり方があります。1つはオキシドールを飲ませるというもので、オキシドールが胃の中で発泡することにより吐き気が出ます。ただし、これは胃粘膜をかなり傷つけることが知られているため、最近ではあまり行われません。もう1つは注射薬を用いるもので、こちらを使用することが多いです。注射後5分から10分くらいで吐き気が出ます。吐き気はすぐに落ち着くので、その後は水分補給のため注射をしたり、粘膜保護の薬を処方して治療終了となります。
経過観察も催吐処置もできない、催吐処置をしても吐けなかった場合は、麻酔をかけた処置になります。これは内視鏡を用いる方法と、開腹手術があります。
内視鏡による方法は、胃の中まで内視鏡を入れて異物を確認し、鉗子という器具で異物を掴んで取り出します。内視鏡で摘出できた場合、翌日から食事も普通にできます。全身麻酔をかけているので1泊入院することが多く、状態によって薬を処方して治療終了になります。
内視鏡での摘出ができない場合は、開腹手術になります。胃の中に異物があれば胃を切開して摘出、腸にあれば腸切開、胃と腸の両方にあれば両方を組み合わせます。開腹手術の場合、切開した場所や状態によって絶食期間が必要になるので、数日入院します。また、誤飲してから数日経っていたりして腸が壊死を起こしていた場合は、単純に切って閉じるだけではなく、腸管吻合といって壊死した部分を切り取って断面をつなげる手術を行います。

気をつけてもらいたいこと

まずは誤飲をしないように、ということが一番です。ただ、しつけではなかなかコントロールできないことも多いです。散歩中にいろいろ口に入れてしまう子であれば、「リードを短く持つ」ことが一番確実です。家の中でいろいろ口に入れてしまう子であれば、届くところに問題になるようなものを置いておかないことです。また、口に入れている場面を目撃したら、慌てずに一呼吸置いておやつなどと交換に口から出させるようにしてください。
もし誤飲をしてしまったら、なるべく早く動物病院を受診してください。昔は塩水を飲ませて吐かせていた、という方もいるかもしれませんが、これは吐き気が止まらなくなりそのせいで具合が悪くなることもあるので、やめた方がいいでしょう。病院ではオキシドールを使うことがありますが、量を間違えると危険なので、これも家ではやらない方がいいです。
また、誤飲したかもしれない、ということで来院されることも多いです。例えば誤飲した瞬間は見ていないけど、ペットボトルのキャップがなくなっていた、というようなケースです。この場合は、急に元気がなくなったとか激しく吐いている、といった症状がなければ、まずはお家の中をもう一度よく探してみてください。レントゲン検査や超音波検査をしても異物が確認できずに、経過観察として帰宅後に異物が見つかった、ということもあります。
異物自体の情報も非常に重要ですので、手がかりになるようなもの、例えばペアのピアスの片方とか、噛んで一部を飲み込んでしまったおもちゃの本体などがあれば持参していただけると獣医は助かります。
ご家族からの情報が適切な対処には欠かせないのが、異物誤飲です。誤飲は起きないことがベストですが、もし起きても落ち着いて対応しましょう。

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