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愛猫が幸せな一生を送る為の第一歩 社会化期の望ましい過ごし方とは?

愛玩動物飼養管理士
大雄寺輝美
[記事公開日]  [最終更新日]
猫には幼少の頃、「社会化期」というものが存在します。猫としてのルールや社会性、また人と暮らす猫の場合、人間や他の動物との関わり方を学ぶ時期でもあります。つまり、人と良い関係を築けるフレンドリーな猫として生きていけるかどうかは社会化期の過ごし方次第。この記事では、愛猫が幸せな一生を送るための第一歩である社会化期の望ましい過ごし方についてまとめました。
[ 目次 ]
    愛猫が幸せな一生を送る為の第一歩 社会化期の望ましい過ごし方とは?

    社会化期の重要性


    「社会化期」という言葉を聞いたことはありますか?これは生まれてきた動物がその種特有の社会行動パターンを身につけていく過程、平たく言うと社会性を身につける時期のこと。猫にも幼少期に存在し、猫としてのルールやマナー、また人と暮らす猫の場合は人間や他の動物との関わり方を学ぶ極めて重要な時期でもあります。つまり、人と良い関係を築けるフレンドリーな猫として生きていけるかどうかは社会化期の過ごし方次第と言えるでしょう。
    ◇猫の社会化期は生後2または3週齢〜9週齢
    猫の社会化期が始まるのは生後2または3週齢。耳がしっかり聞こえ出し、よちよち歩きを始める頃で、母猫に自発的に授乳をねだったり兄弟猫との遊びが見られるようになります。社会化期のピークは6〜7週齢、そして8週齢には終わり始めます。
    ちなみに犬の社会化期は生後3週齢〜生後12週齢。この限られた期間は猫が適切な社会行動を身につけて一人前の大人になっていくための大切な過程なのです。そしてこの時期の過ごし方次第で、猫がその後を生きやすくなるかそうでないかが決まると言ってもよいでしょう。

    ◇社会化に失敗した場合どうなるか
    うまく社会化できなかった場合、社会化期に学ばなかった猫同士の関係や人間との関係をその後新たに構築することは大変難しくなります。
    例えば、社会化期を母猫と過ごせなかった猫が大人になってから他の猫や人間を怖がって受け入れ難いこと、社会化期に人と触れ合う機会がなかった野良猫が人に慣れるのに相当の時間を要することなどが挙げられます。安全面・健康面から最終的に室内飼養の家猫として生活させることを目標とすると、これらの猫がその生活に順応するのには時間だけでなく猫自身に相当のストレスがかかることが考えられるでしょう。

    社会化期の望ましい過ごし方 〜動物人間との関わり〜


    ではどのような社会化期を猫に過ごさせればよいか、他の動物との関わりについて述べていきます。総じて言えることは、物事を受容しやすい早期に慣れさせることで将来的な猫の不安や苦痛を減らす、ということです。

    ◇母猫・兄弟猫と過ごさせる
    第一に大切なのが母猫・兄弟猫と過ごさせることです。社会化期の子猫は母猫から愛情をもらいながら猫としてのマナーやルールを学び、兄弟猫とのじゃれ合い遊びを通して力加減や狩りの仕方、他の猫との関わり方を学んでいきます。特に母猫とのふれあいは重要です。母猫との早期の別れは、激しい遊びによる攻撃やウールサッキング(ウールなどの繊維を乳のように吸う行為)などを引き起こす原因になると考えられているので、8週齢ごろまでは母猫に育てさせましょう。

    ◇たくさんの人に撫でてもらう
    第二に大切なのが人との関わりです。ペットとして人と暮らす家猫にとって、飼い主         である人間との社会生活を身につけるのは必要不可欠。そのため、いわゆる「人慣れ」をさせることが重要です。具体的には、優しく抱いたり撫でたりしてあげましょう。それも飼い主1人が固定して行うのではなく、別の家族や子供、友人なども含めてたくさんの人に触ってもらってください。そうすることで人見知りをしない、人に触られるのが好きな人懐こい性格の猫に育てていきます。
    人間に対して柔軟性を持たせることは、飼い主との関係を良好なものにするだけでなく、将来的に猫の苦痛を減らすことにつながります。例えば、飼い主不在時に他人にお世話してもらう際、病院での診察時、家にお客が来たときなど、猫の精神面にストレスを与えることなく過ごさせることができるようになるでしょう。

    ◇他の動物と触れ合わせる
    第三に大切なのは他の動物と触れ合わせることです。オーナーさんが犬やウサギや鳥などといった他の動物も飼養している場合、猫が社会化期であればその時期に互いを触れ合わせることで敵や捕食対象ではなく「仲間」と認識させることができます。社会化期を過ぎると猫の警戒心が強くなってしまうので、猫と他の動物を一緒に飼養する場合は猫に受け入れさせるタイミングを逃さないようにしましょう。またうまくいかなかった場合は部屋を分けるなど工夫が必要です。

    社会化期の望ましい過ごし方 〜しつけ〜


    続いてはしつけの面についてです。こちらも上で述べたのと同じく、社会化期を終えて大人になったあとの将来的なことを考えて、早期のうちに対処しておく必要があります。


    ◇トイレ
    3〜4週齢までの子猫は母親が陰部をなめると排泄をする泌尿生殖器反射がありますが、生後30日ぐらいになると消失します。子猫が出入りしやすい低めのトイレを用意しておけば特に教えなくても自然に排泄を覚えてくれるでしょう。ただし、母猫がいない子猫やトイレを使えない母猫に育てられた子猫の場合はトレーニングが必要。猫が自分で決めた排泄場所にトイレを置き、少しずつ位置を移動させて習慣づけましょう。


    ◇お手入れ
    ブラッシング、シャンプー、ドライヤー、爪切り、歯磨きなどといったお手入れ全般は社会化期に少しずつ慣れさせるとよいでしょう。どれも日頃からのケアが大切なのでこの時期を逃すと猫も飼い主も後が辛くなります。嫌がって飼い主を攻撃したり、無理強いして関係が悪くなったりなどです。また充分なケアが行えないことで病気へのリスクも高まります。そういった事態を迎えないよう、社会化期に練習し、スムーズに受け入れてもらいましょう。

    ◇爪とぎ
    猫にとって爪をとぐ行為は武器を磨くだけでなく、自分の力を誇示するマーキングの意味合いも含まれるため、置く場所は部屋の隅や目立たない場所ではなく、猫にとって重要と思われる場所に複数置くことが大切です。自己アピールが始まるのは5〜6週齢なのでその頃から与えましょう。もし猫が爪とぎを使わないときは、置き場所・素材・大きさを変えて試してみてください。猫が気にいる爪とぎを確保して、家具への被害を最小限に抑えましょう。

    社会化期をいかに過ごすかで、猫の一生が決まるといってもよいでしょう。人に愛される猫となって猫自身も快適に過ごせるよう、重要かつ短い社会化期をしっかりと充実させていきたいですね。
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